光通信レーザーの製造で伸びた、日本電子の描画装置
日本電子の電子ビーム描画装置は、光通信に使うDFBレーザーの回折格子をつくる工程に入っています。2026年3月期のスポットビームの受注・売上は増加した一方、マスク描画装置の販売台数は減り、産業機器事業は減収でした。描く対象と顧客の製造工程をたどると、同じ半導体関連の装置でも需要が一様ではないことが分かります。
LENS
大市場を追うより、高い技術要求と顧客とのすり合わせが必要で、切り替えにくい専門市場を選ぶ会社。
製品名ではなく、なぜその市場を選んだかを見る。
日本電子の電子ビーム描画装置は、光通信に使うDFBレーザーの回折格子をつくる工程に入っています。2026年3月期のスポットビームの受注・売上は増加した一方、マスク描画装置の販売台数は減り、産業機器事業は減収でした。描く対象と顧客の製造工程をたどると、同じ半導体関連の装置でも需要が一様ではないことが分かります。
日東紡は、ガラスを糸にして織ったクロスを、基板材料として供給しています。高速伝送向けのNE/NERガラスと、半導体パッケージ基板の反りに対応するTガラスでは、応える要求が異なります。2026年3月期の電子材料事業の伸びに続き、2026年9月の報告書は、増産投資と織布工程での外部協業を示しました。材料組成、量産工程、供給の分担を合わせて見ると、AI関連需要を受け止める同社の仕事が見えてきます。
HORIBAは、質量と時間からガスの流量を求める基準を持ち、半導体製造装置に流量制御機器を供給します。校正設備の増強は、製品をつくる台数とは別の能力への投資です。2025年12月期にはマテリアル・半導体の売上が増える一方、研究開発・技術投資の加速などにより同分野の営業利益は減りました。計測の確かさを育てる仕事と、その費用を合わせて見ると、機器の後ろにある事業が見えます。
H.U.グループの検査・関連サービス事業は、医療機関から預かった検体を測定し、結果を返す仕事です。2026年3月期の営業利益は3,100万円。会社は、遺伝子関連・特殊検査の伸長、販売価格の適正化、検査オペレーションの改善を説明しています。事業全体の減価償却費は135.98億円あり、設備と人を動かし続けながら利益を残す姿が見えてきます。連結営業利益47.80億円は、臨床検査薬などの事業や全社費用等も含む別の範囲です。
SMCの供給力は、標準品の在庫、特注への対応、生産工程のつなぎ方から成り立つ。2026年3月期は売上が伸びても営業利益率は低下した。選べる部品の多さを、短納期と採算につなげることが課題になる。
ニチアスの高機能製品の増産計画は、建屋のスペースと設備の能力を分けて示しています。2026年3月期には受注が増え、売上は減少しました。工場の備え、顧客からの注文、売上として実現する金額は、それぞれ別に確かめる必要があります。
浜松ホトニクスは、半導体が故障しているかを調べる試験と、電子顕微鏡で原因を確認する物理解析の間で、故障箇所を絞る装置を供給しています。2025年5月のTD Imaging発表は、レーザの反射率から発熱を捉え、非破壊で場所を絞る技術を説明しています。2025年9月期の半導体故障解析装置売上は104億円。一方、グループ全体では医用・バイオ機器向け売上が減り、費用増などで営業利益も減少しました。光を検出する技術を、顧客が次の解析へ進める装置にまとめる仕事が見えてきます。
荏原は半導体工場へ、空間から気体を抜くポンプと、ウェーハを加工する装置の両方を供給します。精密・電子事業ではCMP事業が売上の62%。半導体の積層が進むなかで、表面を平らにする工程や貼り合わせ前の端の品質に、研磨の役割が広がっています。
栗田工業は、顧客に装置を引き渡して保守や薬品供給を続ける形と、自ら装置を保有して水を供給する形を使い分けます。後者には建設・投資と運転管理が伴い、契約終了時の清算益は売上とは別に計上されます。2026年3月期の継続契約型サービスの売上構成比17%と、広いサービス事業の72.1%は異なる指標。顧客との取引が続く仕組みを、資産の持ち方と担う仕事から読む会社です。
ダイフクは顧客の現場に合わせた搬送設備をつくり、稼働後は点検、部品供給、改造・更新を担います。2025年12月期、工事の進捗に応じて計上する売上490,548百万円は、連結売上高660,724百万円の約74%でした。受注した年と工事が進む年はずれ、長い案件では原価の見積もりや管理が採算を左右します。サービス売上は1,766億円、連結売上高の27%。工事契約売上とは区分の切り口が異なるため両者は足せず、サービスには継続契約と個別の作業が含まれます。
ナブテスコは、ロボットメーカーへ精密減速機を、鉄道会社や車両メーカーへブレーキとドア開閉装置を供給します。建物の自動ドア、航空機器、舶用機器、包装機も、顧客がつくる設備や使う現場の中で働きます。2025年12月期の継続事業売上高は3,079億円、営業利益は207億円。売上はアクセシビリティ1,107億円、トランスポート1,005億円、コンポーネント793億円、マニュファクチャリング174億円でした。製品ごとの会社推計シェアと、この四事業の売上規模は、別々のものを測っています。
シスメックスの仕事は、検査機器の納入後にも続きます。試薬、精度管理用の標準物質、学術情報、カスタマーケアが機器を取り巻き、会社のいう安定的な収益源は売上の79.4%。これは試薬だけや定額契約だけの比率ではありません。検査室で使い続けるための仕組みまでを見ると、5,000億円の売上を持つ会社の輪郭が分かります。
アドバンテストは半導体・電子部品メーカーへ試験装置を販売し、導入後の支援や接続基板などの消耗品も供給します。2026年3月期は高性能半導体向けの需要と供給能力が拡大する一方、成熟半導体向けは軟調でした。売上高1兆1,286億円、営業利益4,991億円、営業利益率44.2%は、この需要の差と製品構成のもとで得た実績です。
コンデンサは、電子機器の回路でノイズを減らし、急な電流需要を支えます。村田製作所は材料から量産までの技術を、その部品づくりにつなげています。2026年3月期にはサーバー向けなどのコンデンサが伸び、高周波・通信は減収でした。同じ機器向けでも、組み込まれる製品と用途によって需要は違います。
TOTOは水まわり製品をつくるとともに、製造装置メーカーへセラミック部材を供給しています。ウエハを固定する静電チャック、装置内部を膜で保護するAD部材、精密な動きを支えるエンジニアリングセラミックスでは、役割も製法も異なります。エンジニアリングセラミックスには衛生陶器の成形・焼成制御と、水栓の研磨の知見が使われています。FY2024のセラミック事業は売上503億円、営業利益204億円。FY2025も売上・利益とも過去最高となり、2026年4月には静電チャックとAD部材の研究開発・生産能力を増やす約300億円の投資を決定済みと公表しました。
HOYAのマスクブランクスは半導体メーカーの回路形成工程へ、HDD用ガラス基板は磁気ディスクの製造へ入ります。会社が強調するのは、前者の技術的なすり合わせと、後者の安定した品質での大量生産です。2026年3月期の売上収益は9,477億円で、会社公表構成比はライフケア62%、情報・通信38%。メガネ店へのレンズ供給やアイシティの小売も担います。EUVとHDDの新工場は初期フェーズ合計約920億円の投資計画。光学ガラスから広がった事業を、顧客の工程と供給の仕方から読むと、それぞれの強みが見えてきます。