株式会社荏原製作所 · 2025年12月期
半導体を重ねる技術で広がる荏原の研磨
荏原製作所は、建物の給水や工場、排水施設などで使うポンプをつくる会社です。半導体メーカーには、製造装置の中を真空にするポンプや、ウェーハを磨く装置も納めています。
使用資料 3件公開 2026-10-22最終確認 2026-10-22
CMPはChemical Mechanical Polishingの略で、ウェーハの表面を平らにする工程で使われます。荏原の統合報告書は、その出番を回路をつくる前工程に加え、ウェーハの貼り合わせや先端パッケージングにも示しています。
DATA VIEW精密・電子事業ではCMPが最大の売上区分
2025年12月期。単位:億円。3区分の合計は3,422億円。
CMP事業2,126億円
コンポーネント事業1,149億円
その他事業147億円
出典:統合報告書2026、冊子p.29/PDF p.30。事業区分別の売上で、個々の装置の販売台数ではありません。
空間を整えるポンプと、材料を加工する装置
ポンプが整えるのは加工する空間です。一方、CMP装置が扱うのはウェーハの表面。この二つは、同じ半導体工場にあっても仕事が違います。
空間の気体、材料の表面、ウェーハの端
半導体工場での三つの仕事を模式的に描いています。全工程を順番に並べた図ではありません。
空間から気体を抜く
ドライ真空ポンプは、加工空間の気体を排出します。半導体メーカーと装置メーカーに納めます。
表面を平らにする
CMP装置は、ウェーハを平坦化する工程で働きます。半導体メーカーに納めます。
端の状態を整える
ベベル研磨は端面や外周を加工します。貼り合わせの品質にも関わる部分です。
装置の形・寸法・加工順序は模式的なものです。貼り合わせは研磨そのものではありません。排気系の後段処理は省略しています。
出典:荏原 統合報告書2026(PDF pp.30、33)とドライ真空ポンプの説明: PDF p.30 · PDF p.33 · 真空ポンプ
貼り合わせる前には、ウェーハの端も問われる
工場へ納めた後の仕事も970億円ある
CONCEPT MAP半導体工場で異なる二つの仕事
顧客の製造工程半導体メーカー/装置メーカー
- 加工空間ドライ真空ポンプで気体を排出
- 材料の表面と端CMPやベベル研磨でウェーハを加工
- 稼働後オーバーホール、消耗材、部品交換・修理
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
荏原の半導体向け事業をたどると、加工空間を真空にする仕事と、ウェーハそのものを磨く仕事が見えます。2025年には、後者のCMP事業が精密・電子売上の62%を占めました。
半導体を多層化し、貼り合わせていくほど、表面の平坦さや端の品質が製造上の課題になります。荏原はそこへ加工装置を納め、稼働後には部品や修理でも関わります。水を送るポンプで知られる会社の技術は、半導体をつくる空間と材料の両方に入り込んでいます。