株式会社荏原製作所 · 2025年12月期

半導体を重ねる技術で広がる荏原の研磨

荏原製作所は、建物の給水や工場、排水施設などで使うポンプをつくる会社です。半導体メーカーには、製造装置の中を真空にするポンプや、ウェーハを磨く装置も納めています。

半導体ウェーハと研磨台を中心に、真空ポンプと加工チャンバーを配した図

CMPはChemical Mechanical Polishingの略で、ウェーハの表面を平らにする工程で使われます。荏原の統合報告書は、その出番を回路をつくる前工程に加え、ウェーハの貼り合わせや先端パッケージングにも示しています。

DATA VIEW

精密・電子事業ではCMPが最大の売上区分

2025年12月期。単位:億円。3区分の合計は3,422億円。

精密・電子事業ではCMPが最大の売上区分
CMP事業2,126億円
コンポーネント事業1,149億円
その他事業147億円

出典:統合報告書2026、冊子p.29/PDF p.30。事業区分別の売上で、個々の装置の販売台数ではありません。

空間を整えるポンプと、材料を加工する装置

ポンプが整えるのは加工する空間です。一方、CMP装置が扱うのはウェーハの表面。この二つは、同じ半導体工場にあっても仕事が違います。

空間の気体、材料の表面、ウェーハの端

半導体工場での三つの仕事を模式的に描いています。全工程を順番に並べた図ではありません。

空間から気体を抜く

チャンバー内のウェーハの周囲にある気体分子が、配管を通じてドライ真空ポンプへ移動する図。気体

ドライ真空ポンプは、加工空間の気体を排出します。半導体メーカーと装置メーカーに納めます。

表面を平らにする

円形の研磨面とウェーハを描き、凹凸のある表面が平坦になる役割を示す図。平坦化

CMP装置は、ウェーハを平坦化する工程で働きます。半導体メーカーに納めます。

端の状態を整える

二枚のウェーハの端を強調し、外周に接する研磨具と、後で貼り合わせる方向を示す図。端・外周貼り合わせへ

ベベル研磨は端面や外周を加工します。貼り合わせの品質にも関わる部分です。

装置の形・寸法・加工順序は模式的なものです。貼り合わせは研磨そのものではありません。排気系の後段処理は省略しています。

出典:荏原 統合報告書2026(PDF pp.30、33)とドライ真空ポンプの説明: PDF p.30 · PDF p.33 · 真空ポンプ

貼り合わせる前には、ウェーハの端も問われる

工場へ納めた後の仕事も970億円ある

CONCEPT MAP

半導体工場で異なる二つの仕事

顧客の製造工程半導体メーカー/装置メーカー
  1. 加工空間ドライ真空ポンプで気体を排出
  2. 材料の表面と端CMPやベベル研磨でウェーハを加工
  3. 稼働後オーバーホール、消耗材、部品交換・修理

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

荏原の半導体向け事業をたどると、加工空間を真空にする仕事と、ウェーハそのものを磨く仕事が見えます。2025年には、後者のCMP事業が精密・電子売上の62%を占めました。

半導体を多層化し、貼り合わせていくほど、表面の平坦さや端の品質が製造上の課題になります。荏原はそこへ加工装置を納め、稼働後には部品や修理でも関わります。水を送るポンプで知られる会社の技術は、半導体をつくる空間と材料の両方に入り込んでいます。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

統合報告書2026

株式会社荏原製作所

使用ページ: p.30 / p.30-33 / p.33

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クリーンな環境を生む真空技術「ドライ真空ポンプ」

株式会社荏原製作所

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