シスメックス株式会社 · 2026年3月期
血球を数える機械から、「検査結果」を売る会社へ。
シスメックスの歴史を読むと、機械メーカーとしては少し変わった言葉が出てきます。1965年、創業者の中谷太郎は「計数結果をお売りする」という企業姿勢を打ち出しました。血球を数える装置を売るだけでは、正しい検査結果は保証できない。だから診断薬もつくり、標準物質も提供し、検査室に学術情報も届ける。2026年3月期の売上高は5,000億円。現在の規模の根には、機械そのものより「検査結果の信頼性」を商品として考える発想があります。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
シスメックスの原点は、血球を自動で数える機械でした。
ただ、会社が早い段階から売ろうとしていたものは、機械だけではありません。

分析装置、試薬と標準物質の容器、知識を表す白紙の冊子をまとめた編集上の解釈です。実際の検査装置や手順、測定結果、正確性の保証を示すものではありません。
売上高は5,000億円
現在地と長期目標
FY2025実績と2034年度目標は別の時間軸です。
その会社の出発点は、1960年代の「検査を自動化する」という課題でした。
1963年、国内初の自動血球計数装置
ただ、装置が正しく動くだけでは十分ではありません。
「計数結果をお売りする」
その考え方は、機械の外側へすぐに広がります。
1966年、検査室へ学術情報を届ける
1967年、電機メーカーが診断薬をつくる
1968年、測定精度そのものを確認する
こうして、検査の一連の工程を広く支える会社になっていきます。
1975年、国内初の全自動化
1979年、検体供給まで自動化
血液以外へも範囲を広げます。
血球計数から、尿・凝固・免疫へ
海外拠点は1972年から
機械を売る。
試薬を供給する。
結果が正しいかを標準物質で確認する。
使い方や検査知識を学術支援で届ける。
この組み合わせが、「計数結果をお売りする」という言葉の中身です。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
2026年3月期のシスメックスは、売上高5,000億円、営業利益518億円。
始まりは1963年の国内初の自動血球計数装置でした。
しかし1965年、創業者は「計数結果をお売りする」という企業姿勢を掲げます。
その後、学術情報、診断薬、精度管理用の標準物質を提供し、1975年には国内初の全自動血球計数装置、1979年には世界初とするサンプラー搭載装置へ進みました。さらに尿検査、血液凝固、免疫検査へ領域を広げています。
シスメックスは機械メーカーから別の会社になったのではありません。
機械、試薬、品質管理、知識を組み合わせて「正しい検査結果」を届ける範囲を広げてきた会社です。