HOYA株式会社 · 2026年3月期
HOYAのガラスに、半導体とHDDが求めるもの。
HOYAは、メガネ店にレンズを、病院に眼内レンズなどを供給する会社で、ライフケアが売上の過半を占めます。半導体メーカーにはマスクブランクスを、HDDメーカーなどには磁気ディスクの土台となるガラスを供給しています。

半導体メーカーへ、回路を写す前のガラスを届ける
HDDメーカーへ、磁気ディスクの土台を届ける
HOYAが渡すガラスと、その先の仕事
マスクブランクスはフォトマスクの材料に、HDD用ガラス基板は磁気ディスクの土台になります。
マスクブランクス
多層の金属膜を重ねたガラス
半導体ファウンダリ・半導体メーカー
フォトマスクの作製
ウェハへ微細な回路を転写
HDD用ガラス基板
円盤状のガラス
HDDメーカー・HDDメディアメーカー
磁気ディスクの製造
HDDに入れてデータを保存
工程をすり合わせる力と、同じ品質をつくり続ける力
ただし、顧客の選択肢が固定されているわけではありません。情報・通信事業の説明では、EUVマスクブランクスで顧客が徐々に複数社購買を進める可能性も挙げています。HOYAは、最先端の工程で競合に先行することで、その地位を維持する方針です。
二つの供給力を増やす、初期フェーズの投資計画
メガネ店と消費者へ届くライフケアが、売上の過半
ライフケアが過半、情報・通信も4割弱
2026年3月期の会社公表構成比。
ライフケアには、一般消費者にコンタクトレンズを販売するアイシティもあります。病院や眼科医向けには、白内障手術用の眼内レンズを供給します。同じ分野でも、メガネ店を通じた供給、消費者への小売、医療機関への販売という異なる接点を持っています(ライフケア事業)。
光学ガラスから広がった、二つの顧客領域
光学ガラスから、二つの方向へ
HOYAの沿革に見える主な分岐。
この広がりには、買収による事業拡大も含まれます。例えば、沿革には2007年のPENTAX子会社化と2008年の合併が記されています。現在の事業すべてが、一つの技術から自社開発だけで生まれたという意味ではありません(沿革)。
「メガネ」と「半導体」をつなぐ起点は、光学ガラス
完成品の名前ではなく、素材・光学技術と市場の選び方から見ると、離れて見える事業がつながる。
- メガネ・医療メガネレンズ、コンタクト、眼内レンズ
- 半導体材料マスクブランクスなど高精度な光学材料
- データ保存HDD用ガラス基板
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
HOYAのガラスは、顧客が次の製品をつくるための材料です。 マスクブランクスでは半導体メーカーとの技術開発と工程のすり合わせ、HDD用基板では安定した品質での大量生産が、会社の説明する強みになっています。需要の増加に応える二つの新工場は、初期フェーズ合計約920億円の投資計画です。
売上の過半を占めるライフケアでは、メガネ店や消費者、医療機関へ製品が届きます。光学ガラスから広がったHOYAを理解するには、扱う素材に加えて、誰が使い、その顧客の仕事にどのように合わせるかを見る必要があります。