栗田工業 · 2026年3月期

水を買う工場に、栗田工業の資産が置かれる。

栗田工業の水供給事業では、工場が買うのは水で、その水をつくる装置はクリタの資産です。2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の資料から、装置を誰が持つかで変わる仕事と資金負担をたどります。

工場内の水処理装置と配管、その設備を点検する作業員

工場の中に、二つの持ち方がある

純水供給サービス「KWSS」の資料では、その分担をもう少し具体的に見ることができます。

装置の置き場所は同じでも、持ち主と仕事が変わる

統合レポート2026が説明する、装置の販売・納入と長期契約による水供給の対比。

工場が装置を買う

顧客の工場内

水処理装置工場の生産工程
装置:顧客へ引き渡す

クリタ → 顧客:装置を販売・納入

引き渡し後も、クリタが保守・薬品供給を続ける

工場が水を買う

顧客の工場内

水処理装置工場の生産工程
装置:クリタが保有

水を供給

顧客 → クリタ:水の料金

クリタが建設し、運転管理・メンテナンスを担う

水供給側の装置は顧客工場内に置くクリタの資産です。装置販売後の保守は他社製装置も対象。図は提供モデルの対比で、売上区分や設備の工学的構成を表していません。

統合レポート2026:担う仕事 p.34二つの提供方法 p.35

誰が設備を持つか

装置を買う工場、水を買う工場

水処理装置の提供方法によって、クリタと工場の関わり方が変わります。

顧客工場の水処理設備投資や管理のニーズに応じて提案
  1. 工場が装置を買うクリタが販売・納入。引渡し後にも保守や薬品供給が続く
  2. 工場が水を買うクリタが装置を建設・保有・運転管理し、工場は水の料金を支払う

水を供給する側に、建設と投資が残る

顧客が装置を買わない形でも、装置を用意する資金と、稼働までの工程は必要です。

長期の水供給契約が終わるとき

契約が終わったときの損益は、サービス売上とは別の場所にも現れます。

引き渡した装置にも、続く仕事がある

資産を保有する水供給のほかに、顧客が使う装置を支え続ける仕事があります。

DATA VIEW

電子市場の二つのサービスで、売上の動きが異なる

継続事業の外部顧客向け売上高、単位は百万円。前期は2025年3月期、当期は2026年3月期。いずれも同じゼロ起点の尺度で、前期も組替え後です。

電子市場の二つのサービスで、売上の動きが異なる
継続契約型・前期54,764百万円
継続契約型・当期54,544百万円
メンテナンス・前期20,823百万円
メンテナンス・当期25,112百万円

出典:決算短信の製品・サービス別売上高 p.24。棒は各区分の年間売上で、特定の解約が生んだ減収額や清算益を表してはいません。

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

栗田工業の仕事は、工場の中の装置を誰が持ち、誰が動かすかによって姿を変えます。装置を引き渡した後にも保守や薬品供給が続き、クリタが保有する場合には、建設・投資と日々の運転管理を伴う水供給になります。

2026年3月期には、電子市場の継続契約型サービスが契約解除の影響を受け、解約に伴う清算益はその他の収益に計上されました。一方、メンテナンスは顧客工場の稼働を背景に増収。顧客との関わりが長く続く仕事にも、異なる資金負担、収入の動き、契約の終わり方があります。

水を供給する約束の背後には、装置を用意し、その稼働を支え続ける責任がある。 資産の持ち方から読むと、サービスの売上比率だけでは見えないクリタの仕事が浮かび上がります。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

クリタグループ 統合レポート2026

Kurita Water Industries

使用ページ: p.34 / p.34-35 / p.35 / p.57 / p.105

原文を開く →

2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

Kurita Water Industries · 2026-05-14

使用ページ: p.5 / p.24

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2026年3月期 通期決算補足資料

Kurita Water Industries · 2026-05-14

使用ページ: p.5

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純水供給サービス KWSS リーフレット(発行日記載なし)

Kurita Group

使用ページ: p.2

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日本電子株式会社 · 2026年3月期

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光通信レーザーの製造で伸びた、日本電子の描画装置

日本電子の電子ビーム描画装置は、光通信に使うDFBレーザーの回折格子をつくる工程に入っています。2026年3月期のスポットビームの受注・売上は増加した一方、マスク描画装置の販売台数は減り、産業機器事業は減収でした。描く対象と顧客の製造工程をたどると、同じ半導体関連の装置でも需要が一様ではないことが分かります。

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