ソニーグループ株式会社 · 2026年3月期
ソニーは、何をつくる会社なのか。
ソニーと聞いて思い浮かぶものは、人によってかなり違います。テレビ、カメラ、ヘッドホン、PlayStation、映画、音楽。2026年3月期のセグメント売上を見ると、そのばらばらに見える事業の重心が見えてきます。ゲーム・音楽・映画の3事業を合計すると8.31兆円。けれど、家電やイメージセンサーも2兆円を超える規模があります。いまのソニーは、ひとつの商品カテゴリーでは説明しにくい会社です。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
ソニーと聞いて、最初に思い浮かぶものは何でしょうか。
テレビ。カメラ。ヘッドホン。PlayStation。
どれも正しいソニーの顔です。
ただ、2026年3月期の数字を事業ごとに並べると、その顔の大きさはかなり違います。
継続事業の売上は12.48兆円
では、その12兆円超の会社で一番大きい事業は何でしょうか。
最大はゲーム&ネットワークサービス、4.69兆円
PlayStationだけで話は終わりません。
音楽は2.12兆円
さらに映画もあります。
映画は1.50兆円
ゲームだけではない、3つのエンタテインメント事業
2026年3月期のセグメント売上高。各セグメントは内部取引消去前。
この3つを合計すると、会社の見え方がもう一段変わります。
ゲーム・音楽・映画で8.31兆円
では、昔からソニーの顔として強いエレクトロニクスはどうでしょうか。
家電などET&Sは2.26兆円
だから「ソニーはもう家電の会社ではない」と言い切るのも違います。
もう一つ、一般消費者からは見えにくい2兆円事業があります。
イメージセンサーのI&SSも2.15兆円
現在のソニーを、3つの大きな塊で見る
2026年3月期のセグメント売上高。エンタテインメント3事業は当サイト合算。いずれも内部取引消去前の同じ開示ベース。
ここまでだけでも、ハードかコンテンツかという二択では足りないことが分かります。
そして2025年度には、会社の輪郭をさらに変える出来事がありました。
金融事業は2025年10月に部分スピンオフ
金融まで抱えた「何でもある複合企業」から、現在の開示はもう少し焦点が絞られています。
その焦点を、会社自身はどう説明しているのでしょうか。
軸は「エンタテインメント、IP、コンテンツクリエイション、クリエイション技術」
ここで、ゲーム、音楽、映画と、カメラやセンサーの技術が同じ地図に乗ります。
作品を持つだけでも、機器を作るだけでもない。
「作る人を支える技術」と「作られたIPを届ける事業」の両方を持つ、というつながりです。
Crunchyrollの有料会員は2,100万人超
ソニーをテレビやカメラの会社として見ると、ゲーム・音楽・映画の大きさを見落とします。
反対に「もうコンテンツ会社だ」と見ると、2兆円を超えるET&SやI&SSの技術事業を見落とします。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
現在のソニーは、「家電メーカーからコンテンツ会社へ変わった」だけでは説明できません。
2026年3月期、ゲーム・音楽・映画の3事業のセグメント売上を合計すると8.31兆円。一方で、テレビ・カメラなどを含むET&Sは2.26兆円、イメージセンサーのI&SSは2.15兆円あります。金融事業を部分スピンオフした現在、会社自身が示す方向性は、エンタテインメント、IP、コンテンツクリエイション、クリエイション技術です。
つまり、ソニーが「つくるもの」は製品だけでも、作品だけでもありません。
作品やサービスを持ち、それを作る人を支える技術を持ち、さらに世界へ届ける接点まで持つ。テレビ、PlayStation、音楽、映画、カメラ、イメージセンサーがばらばらに見えるのは、入口が違うからです。数字をつなぐと、その後ろには「クリエイティビティを、IPと技術の両側から事業にする」という現在のソニーの輪郭が見えてきます。