株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス · 2026年6月期

ドン・キホーテは、「安売りの店」なのか。

『安くて何でもある店』。そのイメージでPPIHの数字を見ると、半年だけで3.64億回の会計、27.26億点の商品、1,071億円の免税売上という桁が出てきます。しかも会社が次に狙うのは海外だけではなく、日本の小売市場をさらに埋めることでした。

2.45兆円2026年6月期 売上高
3.64億回上期の世界店舗の会計回数
96.2%長期計画の基準年で国内が占める営業利益

投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

ドン・キホーテは、安くて、品数が多くて、店内を歩くだけでも少し楽しい。そんな「安売りの店」という印象が強い会社です。

でも、運営会社PPIHの2026年6月期の数字を順番に追うと、安さそのものよりも、どうやって人を呼び、何点も買ってもらい、その仕組みを別の売場へ増殖させるかに会社の特徴が見えてきます。

まず、もう「一つのディスカウント店」の規模ではない

売上規模だけでは、まだ「大きな小売会社」にしか見えません。ところが、半年分の店舗活動を数えると、別の輪郭が出てきます。

DATA VIEW

1回の買い物で、平均何点動いたか

販売点数を会計回数で割った単純計算です。流れではなく、買い物1回あたりの量として見ます。

27.26億点上期の販売点数
3.64億回上期の会計回数
約7.5点1会計あたり(当サイト計算)

「安さ」は利益を削るだけではなく、客数を取りにいく投資だった

PPIHの決算説明資料では、価格戦略を続けることで粗利率に下押しが出る一方、客数が伸び、既存店売上が増えていることが示されています。

ここで「安売り」の意味が少し変わります。利益率をただ低くするのではなく、価格を使って客数を増やし、その客にPBや食品を含む多くの商品を買ってもらう。安さが市場シェアを取るための手段になっています。

そこへ、観光客の財布まで巨大な売上として乗ってくる

ドン・キホーテのごちゃごちゃした売場や深夜営業は、国内客だけのための特徴ではありません。海外から来た人にとっても「日本で行く場所」として商品化されています。

ただし、「International」という社名から想像するほど利益は海外ではない

ここで会社名を見ると、Pan Pacific International Holdingsです。海外の比重が大きそうに見えますが、長期計画の基準年を分解すると意外な数字が出ます。

DATA VIEW

『International』でも、利益の中心は国内

長期経営計画の基準年(FY2025)の営業利益構成。当サイト計算。

営業利益: 国内 96.2%, 海外 3.8%営業利益
国内96.2%海外3.8%

海外をやめるわけではありません。それでも、次の10年の成長計画を見ると、会社がまだ日本国内に大きな余地を見ていることが分かります。

次に増やすのは、海外店だけではなく国内の店だった

そして、増やす店も従来型のドンキだけではありません。

雑貨中心のドンキというイメージから、毎日の食品需要まで取り込む店舗へ。出店できる場所と来店頻度を増やせば、同じ「客数を取りにいく仕組み」をさらに広げられます。

目標は、売上4.2兆円。その中心も国内

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

数字をつなぐと、ドン・キホーテは「安い商品をたくさん置く店」だけではありませんでした。

上期だけで3.64億回の会計があり、27.26億点の商品が売れる。価格戦略で粗利率への影響を受けても客数を伸ばし、PB/OEMや食品へ買い物を広げる。さらに免税だけで上期1,071億円を売り、店そのものを訪日客の目的地にしています。

つまりPPIHが作っているのは、価格を投資として人を集め、品ぞろえ・PB・食品・免税・新業態を組み合わせて市場シェアを取りにいく小売の仕組みです。

そして意外なのは、Pan Pacific International Holdingsという社名に反して、長期計画の基準年では営業利益の96.2%が国内だったこと。次の10年も国内250店舗の新規出店を掲げています。PPIHの次の成長は、海外へ飛び出すことだけではなく、日本の小売市場をさらに細かく埋めていくことにありました。

使用した一次資料

2026年6月期 連結業績

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

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2026年6月期 上期 ひと目でわかる決算

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

使用ページ: p.1

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2026年6月期 第2四半期 決算説明資料

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

使用ページ: p.8 / p.9

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長期経営計画 Double Impact 2035

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

使用ページ: p.2 / p.7

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2026年6月期 通期決算説明資料

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

使用ページ: p.3

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