株式会社小松製作所 · 2026年3月期
機械の次は、現場そのもの。コマツ4.1兆円の現在地。
コマツと聞けば、油圧ショベルやブルドーザーの大きな機械を思い浮かべます。その印象は現在も正しいです。2026年3月期の売上高は4兆1,328億円で、会社自身も建設・鉱山・ユーティリティ機械を主力事業として掲げています。ただ、ここ20年以上の技術の流れを見ると、コマツが売ろうとしているものは少しずつ広がっています。2001年に機械の稼働を遠隔で見るKomtrax、2008年に無人ダンプ、2015年にSmart Construction。対象は一台の機械から、現場全体の運行・測量・施工・安全へ移ってきました。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
コマツと聞いて思い浮かぶのは、大きな機械です。
油圧ショベル。ブルドーザー。鉱山を走る超大型ダンプ。
そのイメージは今も正しいです。
売上高は4兆1,328億円
規模は、製品だけでなく拠点にも表れています。
60の生産拠点、55の販売拠点
コマツの現在地
2026年4月時点の会社概要。
出発点も、現場に必要な機械でした。
1921年、鉱山の鉄工所から独立
長いあいだ、価値の中心は「より良い機械をつくること」でした。
その後、機械から出るデータ自体が新しい価値になっていきます。
2001年、Komtraxを標準搭載
次に、人が運転しない機械が現れます。
2008年、無人ダンプを世界初商用化
その実験は、いまやかなり大きな実運用になっています。
自動運転ダンプは1,000台
機械の自動化は、建設現場にも広がりました。
2013年、ICT建機を市場導入
ただ、自動化された機械だけでは、工事全体は最適化できません。
測量、設計、土量、進捗、人、機械をつなぐ必要があります。
2015年、Smart Construction開始
いまのSmart Constructionは、さらに広くなっています。
地形も、進捗も、遠隔操作も一つの現場データへ
そして鉱山でも、対象は一台のダンプから現場全体へ広がっています。
自動化の単位が「車両」から「鉱山」へ
一台の建機を強くする。
そこから、機械の状態をデータで見る。
さらに複数の機械、人、地形、工程を一つのシステムとして扱う。
コマツの技術の広がりは、製品カテゴリーを増やすというより、最適化する対象を大きくしてきた歴史に見えます。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
2026年3月期のコマツは売上高4兆1,328億円、営業利益5,673億円。
現在も明確に建設・鉱山機械を中核とする会社です。
ただ、2001年のKomtraxから、機械の稼働を遠隔で見る仕組みが広がりました。2008年には鉱山向け無人ダンプを世界で初めて商用導入し、2026年には累計1,000台、115億トン超まで拡大しています。
2015年に始めたSmart Constructionでは、測量、地形、機械、施工進捗まで一つのデータ空間につなぎます。
つまりコマツは、建機会社から別の会社になったわけではありません。
「良い機械をつくる」ことを起点に、「機械をデータで見る」「機械を自動で動かす」「現場全体を最適化する」へ、価値を提供する範囲を広げてきた会社です。