株式会社ヤクルト本社 · 2026年3月期
ヤクルトは、日本中心の会社なのか。
ヤクルトは、日本で生まれた乳酸菌飲料です。1935年に販売を始め、1963年にはヤクルトレディによる宅配を始めました。だから日本の身近な飲み物という印象は自然です。ただ、2026年3月期の数字では、飲料・食品の売上も営業利益も海外が国内を上回っています。さらに世界40の国と地域で、1日約3,800万本が飲まれています。日本発のブランドであることと、日本中心の事業であることは、もう同じ意味ではありません。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
ヤクルトは、日本の冷蔵庫や宅配で見慣れた小さな一本です。
1935年に日本で販売を始め、1963年にはヤクルトレディによる宅配を始めました。
だから「日本の乳酸菌飲料会社」という第一印象は、間違っていません。
ただ、現在の数字を国内と海外に分けると、会社の重心は思った以上に外へ広がっています。
売上高は4,864億円
その売上を飲料・食品の国内と海外に分けると、海外の方が大きくなっています。
海外2,400億円、国内2,296億円
飲料・食品の売上は、海外が国内を上回る
2026年3月期。セグメント間調整前。
売上だけではありません。
利益でも、海外の方が大きい。
営業利益は海外363億円、国内277億円
海外といっても、ひとつの市場ではありません。
最大はアジア・オセアニアの1,362億円
その大きさは、売上高より本数の方が直感的です。
日本893万本、海外連結子会社2,004万本
日本側の893.3万本は同資料の国内販売データ、海外側の2,004.3万本は海外事業所データです。
持分法適用会社まで含めた世界全体を見ると、さらに大きくなります。
世界で1日約3,800万本
一本のブランドを支える世界の規模
ヤクルトのIRサイトが示す2026年3月期の現在地。
本数だけでなく、販売地域も広い。
日本を含む40の国と地域
そのネットワークをつくったのは、工場や店舗だけではありません。
世界に約8万人のヤクルトレディ
この海外展開は、完成品を日本から輸出するだけの形ではありません。
1964年の台湾から「現地生産・現地販売」へ
ここまで見ると、「日本の会社か、海外の会社か」という二択ではありません。
日本でつくった商品と販売の考え方を、そのまま輸出するだけではなく、現地でつくり、現地で売り、地域ごとの販売網を育てた結果、現在の海外事業は国内を上回る規模になっています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
ヤクルトは、日本の会社ではなくなった、という話ではありません。
1935年に日本で「ヤクルト」を売り始め、1963年にヤクルトレディの宅配を始め、1964年に台湾へ進出しました。その日本発の仕組みが、現地生産・現地販売を軸に世界へ広がっています。
2026年3月期では、海外の飲料・食品売上は2,400億円で国内2,296億円を上回り、営業利益も海外363億円が国内277億円を上回りました。世界では1日約3,800万本、40の国と地域、約8万人のヤクルトレディ。
だからヤクルトを見るとき、「日本で親しまれている小さな一本」だけで会社全体を想像すると、現在の事業の重心を見落とします。 日本で生まれた一本を、地域ごとの生産・販売・人のネットワークへ変えてきたことが、いまのヤクルトの大きさです。