株式会社サンリオ · 2026年3月期
サンリオは、「ハローキティのグッズ会社」なのか。
ハローキティのグッズを売る会社。そんなイメージで決算を見ると、営業利益率40.1%、ロイヤリティ売上964億円、ハローキティ以外のキャラクターが物販・ライセンスの売上総利益の6割超という数字が出てきます。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
ハローキティのグッズ会社。サンリオにそんな印象を持っている人は多いと思います。
もちろん物販は今も大きな事業です。でも2026年3月期の数字を順番に追うと、サンリオが何を持ち、どう稼ぎ、どこへ向かっているのかはかなり違って見えてきます。
「グッズを売る会社」にしては、利益率がかなり高い
最初に損益計算書を見ると、会社の稼ぎ方に違和感があります。
商品を自社で作って売るだけではなく、他社がサンリオのキャラクターを商品、アパレル、飲食などに使うことで売上が生まれる。その仕組みが、会社の高い収益性を支えています。
しかも、ハローキティが過半を占める会社ではなくなっていた
サンリオと聞いて真っ先に思い浮かぶキャラクターは、やはりハローキティです。ところが、物販・ライセンス事業の売上総利益をキャラクター別に見ると、10年前から大きく変わっています。
10年で、ハローキティ一極からキャラクター群へ
国内外の物販・ライセンス事業の売上総利益構成。
これは「キティが弱くなった」というより、シナモロール、ポムポムプリン、クロミなど、別のキャラクターが同時に稼げる会社へ変わってきたと読む方が自然です。
人気投票を見ると、ハローキティは5位だった
決算資料だけでなく、ファンがどのキャラクターを選んでいるかを見ると、ポートフォリオの広さがさらに分かります。
世界的な象徴であるハローキティが5位でも、人気投票そのものは7,000万票を超える。サンリオの強さは、一人のスターだけではなく、次々に好きなキャラクターが見つかることにもあります。
海外で伸びているのも、キャラクターを貸し出せる強さだった
キャラクターを複数持ち、ライセンスで広げられる仕組みは、海外の数字にも表れています。
店舗を国ごとに大量出店しなくても、現地の企業やブランドがキャラクターを使えば市場を広げられる。この伸び方も、単なるグッズ小売とは違います。
そして次は、「貸す」だけでなく自分たちでゲームを出す
ここまでなら、サンリオは多数のキャラクターを他社へライセンスする会社として理解できます。ただ、次の成長投資では一歩先へ進もうとしています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
数字をつなぐと、サンリオは「ハローキティのグッズを売る会社」だけではありませんでした。
営業利益率は40.1%。ロイヤリティ売上高は964億円規模まで拡大し、国内外の物販・ライセンス事業ではハローキティ以外のキャラクターが売上総利益の62.7%を占めます。10年前はハローキティだけで60.6%でした。
つまり強みは、一人のスターに依存することではなく、多数のキャラクターを持ち、その時々で人気になるIPを育て、世界中の企業へ広げられるキャラクターポートフォリオです。2026年の人気投票でハローキティが5位だったことは、その変化を象徴しています。
そして次は、そのIPを貸すだけではなく、自社パブリッシングで約10本のゲームを出し、自社制作アニメにも進もうとしています。サンリオが掲げる「グローバルIPプラットフォーマー」という言葉は、決算の数字を追ったあとだと、単なるスローガンではなく会社の稼ぎ方そのものに見えてきました。