株式会社ラウンドワン · 2026年3月期
ラウンドワンは、ボウリングの会社なのか。
ラウンドワンの原点はボウリングです。でも2026年3月期の連結売上1,895億円のうち、ボウリングは約16.5%。最大の売上源は1,142億円のアミューズメントでした。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
「ラウンドワン」と聞けば、まずボウリングのレーンを思い浮かべます。会社自身もFact Bookで、ボウリングを「ラウンドワンの原点」と説明しています。
ただ、現在の数字を読むと、その原点と会社の稼ぎ方はかなり違います。
まず、売上は1,895億円まで大きくなった
ここまでは「大きなレジャー会社」です。ところが、サービス別の売上を見ると「ボウリング会社」という印象は早くも崩れます。
売上の6割は、アミューズメント
『ボウリングの会社』なのに、ボウリングは売上の約6分の1
2026年3月期の連結売上。Fact Book 2026掲載値から当サイト計算。
実際の売上の中心はアミューズメント
2026年3月期の連結サービス別売上。
では、なぜアミューズメントがここまで大きいのでしょうか。
クレーンゲームだけで、300〜600台を並べる
そして、機械を大量に置くだけではありません。「中身」をかなり速いペースで入れ替えています。
毎月およそ30件、IPとのコラボを回す
これは「設備を置いたら終わり」の施設運営ではありません。大きな箱の中に、繰り返し新しい来店理由を投入する運営です。
クレーンゲームを「1回いくらの機械」として見るより、景品・難易度・コラボを組み替えながら回転率を作る小売売場に近い発想です。
しかも、店舗の4割近くが日本の外にある
161店舗のうち、59店舗は米国
2026年3月期のエリア別店舗数。
今後の出店方針でも、日本は年間数店舗なのに対し、米国では積極的な出店を続ける方針を示しています。
大きな箱を増やすには、受付そのものも標準化する
ボウリング、カラオケ、スポッチャ、アミューズメントという違うサービスを同じ施設で回し、さらに海外へ増やすには、接客やバックヤードを標準化できることも重要になります。
そして次は、「遊び」の横に高級日本食まで置こうとしている
新しい『箱』には、こんな日本食ユニットも入る
Round One Deliciousの1ユニットあたり事業計画。
これは既存事業の売上をまだ作っている数字ではなく、次の事業計画です。それでも、「ボウリングの会社」が米国の大型施設で高級日本食まで自ら開発・運営しようとしていることは、会社が自分の強みをどう捉えているかをよく表しています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
数字をつなぐと、ラウンドワンは「ボウリング場を全国に増やした会社」から、かなり遠いところまで来ていました。
2026年3月期、ボウリングは連結売上の16.5%。一方、アミューズメントは60.2%を占めます。300〜600台のクレーンゲームを並べ、月約30件のコラボを回し、景品や遊び方そのものを更新し続けています。
さらに161店舗のうち59店舗は米国。受付・精算・在庫管理をデジタル化しながら大きな複合施設を標準化し、その隣には日本食という新しい来店理由まで足そうとしています。
ボウリングは今でも「原点」です。ただ、現在の会社の経済エンジンは、ボウリングそのものよりも、大きな屋内空間に複数の遊びを詰め込み、その中身を何度も更新できる運営力にありました。