株式会社オリエンタルランド · 2026年3月期
来園者数はほぼ横ばい。それでも伸びたオリエンタルランドの売上。
オリエンタルランドは、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーやディズニーホテルを運営する日本の会社です。ディズニーとのライセンス契約のもと、来園者にパークでの体験、商品、飲食を、宿泊客に客室などを提供しています。
使用資料 5件公開 2026-09-17最終確認 2026-09-17
DATA VIEW来園者数は横ばい、1人あたり売上は増加
2026年3月期実績。最初の二つはパークの指標、最後はホテルなどを含む連結の金額です。単位と範囲が異なります。
2,753万人来園者数前年比 -0.1%
18,403円1人あたり売上前年比 +3.2%
7,045億円連結売上高過去最高
来園者数とゲスト1人あたり売上高は決算説明資料 p.5、連結売上高は同 p.4の数値です。連結売上高にはホテルなども含まれるため、来園者数と1人あたり売上高を掛けた金額とは一致しません。
ゲストがパークで使う金額は増えました。ただ、その売上を得るには、施設を開け、スタッフを配置し、サービスを保ち続ける必要があります。2026年3月期のパークとホテルでは、こうした運営の結果が利益に違う形で表れました。
支払いを受け取る運営会社と、権利を貸す会社
ゲストへのサービスと、運営会社が引き受ける仕事
来園者・宿泊客
入園・商品・飲食・宿泊を選ぶ
代金を支払う→
オリエンタルランド
パークやホテルを運営
ディズニー・エンタプライゼズ
ライセンスの相手方
オリエンタルランドが担う運営と投資
- 人を配置するスタッフ・サービス
- 施設を維持する保守・ITなど
- 施設をつくり、更新する設備投資
矢印は支払いと契約の方向です。売上の一定割合を三つの仕事へ配分する図ではありません。設備投資と日々の費用は、会計上の扱いが異なります。
ライセンス:資料 p.1パーク・ホテルの運営:決算 p.5–7設備投資:FACT BOOK PDF p.4
同じくらいの来園者数から、1人あたりの売上を増やす
同じくらいの人数が来ても、1人あたりの支出が増えればパークの売上は伸びます。体験の選択肢や商品の構成、チケットの価格帯などが、その支出を動かします。ここで増えたと分かるのは売上であり、全員が選ぶ体験の数や滞在時間まで増えたことを示す数字ではありません。
年齢や来園目的に合わせて、選択肢を用意する
パークの売上が増えても、運営費が利益を押し下げる
入園料や商品・飲食の売上からは、商品や食材の原価、ロイヤリティ、人件費、施設を維持する費用などが生じます。2026年3月期は、パークの増収だけでは費用増を吸収できませんでした。
宿泊では、客室単価の上昇と通年稼働が重なる
売上の中心はテーマパークです。ホテルは、パークで過ごす時間に加えて、客室や食事を選んで泊まれる場所を提供します。宿泊という別のサービスから収入を得るため、客室単価や稼働率をパークの1人あたり売上とは分けて見る必要があります。
DATA VIEWパークの増収と、二つの事業の利益の動き
2026年3月期の前年比。売上と営業利益、パークとホテルで対象が異なり、それぞれの前期実績に対する増減率です。
+2.9%テーマパーク売上高
−7.1%テーマパーク営業利益
+20.9%ホテル事業営業利益
出典:テーマパーク業績 p.6、ホテル事業業績 p.7。
土地と施設を長く使うための設備投資
体験を提供し続けるには、土地や建物、アトラクションへの投資と、人員や保守への継続的な支出が必要です。施設をつくる設備投資と、その年の営業利益に計上する費用は同じものではありません。
次の運営場所として、海に投資する計画
舞浜の土地と施設で培ってきた体験事業を、次は日本発のクルーズへ広げる計画です。ホテルで客室を運営する仕事に加え、船という別の施設を持つ構想になります。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
来園者数はほぼ横ばいでも、ゲスト1人あたり売上高は過去最高。40歳以上のゲストが調査上は3分の1を超え、ディズニーホテルの平均客室単価は約7万円でした。オリエンタルランドは、こうした来園者や宿泊客に、体験や宿泊の選択肢を提供しています。
その運営を引き受ける会社には、権利の対価と、現場を動かす費用が残ります。 人件費、保守費、IT費に加え、2026年3月期は862億6,900万円の設備投資を行いました。土地や施設、人員への継続的な支出が、大規模なパークとホテルでの体験を支えています。客単価が上がった年でも、パークの利益は減りました。
3,300億円のクルーズ投資計画は、この運営の仕事を舞浜の土地から海へ広げようとするものです。新しい場所を増やすには、そこで体験を提供し続ける設備と運営も必要になります。