株式会社リクルートホールディングス · 2026年3月期
リクルートの稼ぎ方を、Indeedと人材派遣の差から読む。
リクルートグループは、Indeedなどで求職者の仕事探しと企業の採用を支援し、人材派遣では雇用したスタッフを企業へ派遣します。国内ではHOT PEPPER Beautyなどの予約・マッチングサービスや、店舗の業務を支えるSaaSも提供しています。
使用資料 4件公開 2026-09-20最終確認 2026-09-20
三つの事業で、売上3兆6,973億円
売上最大は、人材派遣
DATA VIEW外部顧客売上の45.4%は人材派遣
2026年3月期。内部売上を除いた人材派遣の外部顧客売上1,679,327百万円 ÷ 連結売上3,697,351百万円。決算資料のセグメント情報から当サイト計算。
外部顧客売上構成人材派遣45.4%その他54.6%
企業が払う料金には、何が含まれるか
派遣では人件費、Indeedでは採用支援の料金が動く
主な関係を簡略化した図。上段の矢印はお金、下段はサービスの流れです。
人材派遣:料金からスタッフの人件費を支払う
派遣料金派遣先企業から派遣会社へ→
給与派遣会社から派遣スタッフへ→
仕事の提供:派遣スタッフ → 派遣先企業
派遣会社の売上には、売上原価にもなるスタッフの人件費を含む。
Indeed:企業の採用活動を支援する
有料の採用支援Indeedから採用する企業へ←
求人検索などIndeedから求職者へ→
料金の支払い:企業 → Indeed(有料サービスを利用する場合)
Indeedのサービスの例です。HRテクノロジーには国内人材紹介なども含まれます。
出典:ビジネスモデル「人材派遣SBU」「HRテクノロジーSBU」
この違いを踏まえて、会社が事業の採算を見るために使う指標を比べます。
HRテクノロジーのEBITDA+Sは、人材派遣の5倍超
人材派遣では、人件費を含む売上を分母にするため、売上高ベースのマージンが他の事業より低くなりやすい構造です。会社は、売上から売上原価を引いた売上総利益に対するEBITDA+Sの比率で見ると、他の2事業の売上高ベースのマージンに近いと説明しています。37.7%と5.9%の差を、そのまま生産性や事業の優劣の差と読むことはできません(ビジネスモデル「人材派遣SBUのビジネスモデル」)。また、HRテクノロジーの数字には国内人材紹介なども含まれ、Indeed単独のマージンではありません。
DATA VIEW売上最大と、利益の中心は違う
2026年3月期。内部売上を含む各セグメントの売上収益とEBITDA+S。上の外部顧客売上構成とは範囲が異なり、人材派遣の売上はスタッフの人件費も含みます。
17,034人材派遣 売上(億円)
997人材派遣 EBITDA+S(億円)
14,584HR Tech 売上(億円)
5,499HR Tech EBITDA+S(億円)
採用需要が停滞する中でも、米国の求人あたり平均売上は17%増えた
Indeedを「Two-Sided Decision-Making Marketplace」と呼んでいる
国内で長く続けてきた人材サービスも、HRテクノロジーに集約しています。
2025年、リクルートエージェントなどをHRテクノロジーへ移した
国内では、美容、旅行、飲食、住宅などにもマッチングの仕組みを展開しています。
MMTは売上5,646億円、EBITDA+Sマージン27.4%
国内のプラットフォームには、多数の個人アカウントと企業クライアントが集まっています。
9,700万のIDと、97万超の企業クライアントをつなぐ
その一例がHOT PEPPER Beautyです。
HOT PEPPER Beauty経由の年間GMVは1.1兆円
MMTは店舗から受け取る料金の決め方にも変化を示しています。
「月額広告」から「アクション」、さらに「GMV連動」へ
外部顧客向けの売上で比べると、人材派遣は連結全体の45.4%を占めています。その一方、IndeedやHOT PEPPER Beautyでは、広告掲載から「マッチングが成立するまで」へ支援の範囲を広げています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
リクルートでは、企業と働く人の間で担う仕事によって、売上に含まれるものが違います。 人材派遣の1兆7,034億円にはスタッフの人件費が含まれます。Indeedでは、求人を見つけてもらい、候補者を探し、選考を進めるためのサービスが収益につながります。
HRテクノロジーがEBITDA+Sの中心であることと、人材派遣の売上が大きいことは、この構造と合わせて読むと理解できます。37.7%と5.9%だけで事業の優劣を決めることはできません。
国内MMTでは、美容などの予約と店舗の業務支援にも仕事が広がります。広告掲載、採用支援、人材派遣、取引に応じた料金。それぞれの収入を、誰に何を提供した対価なのかまでたどると、リクルートの稼ぎ方が見えてきます。