株式会社リクルートホールディングス · 2026年3月期
リクルートは、求人広告の会社なのか。
リクルートと聞くと、求人広告や就職情報を思い浮かべます。ところが2026年3月期、売上が最も大きいのは人材派遣です。一方、EBITDA+Sの中心はIndeedなどのHRテクノロジー。さらに国内では、美容・旅行・飲食・住宅のマッチングとSaaSまで同じ会社の中にあります。数字をつなぐと、広告枠を売る会社というより、人と企業の意思決定や取引をつなぐ会社に見えてきます。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
リクルートという名前から、まず求人広告を思い浮かべる人は多いはずです。
仕事を探す人と企業をつなぐ会社。そのイメージ自体は間違っていません。
ただ、現在の売上と利益を分けて見ると、「求人広告会社」という言葉だけでは説明しにくい会社になっています。
まず、売上は3兆6,973億円
では、いちばん大きいのはIndeedなのでしょうか。
売上だけを見ると違います。
売上最大は、人材派遣
売上の約46%は人材派遣
2026年3月期。人材派遣の売上を連結売上で割った当サイト計算。
ところが、利益の出方はまったく違います。
HRテクノロジーのEBITDA+Sは、人材派遣の5倍超
売上最大と、利益の中心は違う
2026年3月期。各セグメントの売上収益とEBITDA+S。
つまり「いちばん売上が大きい事業」と「利益を生む中心事業」が違います。
では、Indeedは何を変えているのでしょうか。
採用需要が停滞する中でも、米国の求人あたり平均売上は17%増えた
その先で会社が使っている言葉は、単なる「求人広告サイト」ではありません。
Indeedを「Two-Sided Decision-Making Marketplace」と呼んでいる
これは海外だけの話でもありません。
国内で長く続けてきた人材サービスも、同じHRテクノロジー側へ寄せています。
2025年、リクルートエージェントなどをHRテクノロジーへ移した
そして、リクルートの「マッチング」は仕事だけでもありません。
国内では美容、旅行、飲食、住宅などにも同じ発想があります。
MMTは売上5,646億円、EBITDA+Sマージン27.4%
その国内プラットフォームの規模は、広告媒体という言葉だけでは捉えにくくなっています。
9,700万のIDと、97万超の企業クライアントをつなぐ
その一例がHOT PEPPER Beautyです。
HOT PEPPER Beauty経由の年間GMVは1.1兆円
そしてMMT自身が、広告モデルからさらに先へ進むロードマップを示しています。
「月額広告」から「アクション」、さらに「GMV連動」へ
ここまでつなぐと、求人広告という出発点は消えていません。
人材派遣も売上の約46%を占める巨大事業です。
ただ、会社の利益構造と、IndeedやHOT PEPPER Beautyの進化を見ると、広告枠そのものより「マッチングが成立するまで」に価値を置く方向が強くなっています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
数字をつなぐと、リクルートは「求人広告を売る会社」というより、個人と企業の間に入り、意思決定や取引が成立するまでのプロセスをつくる会社に見えてきます。
売上最大は人材派遣の1兆7,034億円。一方、HRテクノロジーは売上1兆4,584億円でもEBITDA+Sが5,499億円に達し、人材派遣の997億円を大きく上回ります。Indeedでは採用需要が停滞する中でも米国の求人あたり平均売上が17%伸び、会社はAIを使った「Two-Sided Decision-Making Marketplace」を掲げています。
国内でも、9,700万のRecruit IDと97万超の企業クライアントをつなぐMMTが、美容・旅行・飲食・住宅の予約や業務SaaSまで広がっています。広告からマッチングへ、マッチングから意思決定・取引へ。 そこに、求人情報誌から続くリクルートの現在形があります。