川崎重工業株式会社 · 2026年3月期

売上の首位と、利益の首位が違う。川崎重工を二つの順番で読む。

2026年3月期、川崎重工の売上最大セグメントはパワースポーツ&エンジンの6,828億円でした。しかし事業利益は227億円。航空宇宙システムは売上6,136億円、事業利益624億円で、二つの順番が入れ替わります。同じ会社の中でも、売上規模と利益への寄与は違う。その差から、航空宇宙、エネルギー、工場向け機械、鉄道が並ぶ会社を読みます。

2兆3,112億円FY2025 売上収益
6,828億円パワースポーツ&エンジン売上収益
1878年川崎築地造船所の創業

投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

いちばん売っている事業が、いちばん利益を生むとは限りません。

川崎重工の2026年3月期は、その違いが二つの大きな事業の間に現れています。

造船から、複数の大きな柱へ

パワースポーツと航空宇宙を、二度並べる

DATA VIEW

売上と事業利益で、順番が入れ替わる

2025年度実績。売上同士、事業利益同士で比較。

6,828億円パワースポーツ&エンジン 売上
6,136億円航空宇宙システム 売上
227億円パワースポーツ&エンジン 事業利益
624億円航空宇宙システム 事業利益

パワースポーツ&エンジンが売上で先に立ち、航空宇宙システムが事業利益で先に立つ。製品の知名度や売上順位だけでは、利益の重心はわかりません。

売上が増えても、利益の動きは分かれる

この差は、パワースポーツが重要でなくなったことや、航空宇宙の利益が今後も安定することを意味しません。まずは一年の実績として読む比較です。

エネルギー・船舶を加えると、もう一つの利益の柱

事業利益550億円は、航空宇宙に次ぐ規模です。売上だけの順番では見落としやすい、もう一つの重心になります。

精密機械・ロボットと車両も含め、同じ大きさ・同じ採算の製品群が並んでいるわけではありません。各事業の数字を保ったまま全体を見る必要があります。

同じ会社にある理由と、今年の利益の理由

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

売上ではパワースポーツ&エンジン6,828億円、事業利益では航空宇宙システム624億円が先頭に立ち、エネルギーソリューション&マリンも550億円を生みました。

川崎重工を一つの製品で代表させると、この違いが隠れます。造船所や合併の歴史は事業が共存する背景ですが、現在の利益はそれぞれの市場やコストの条件のもとで動きます。

売上の大きさと、利益の寄与を二度並べる。その読み方で、この会社の複数の重心が見えてきます。

使用した一次資料

2025年度 決算説明資料

川崎重工業株式会社 · 2026-05-12

使用ページ: p.5-6 / p.6 / p.6,38

原文を開く →

NEXT COMPANY

ナブテスコ株式会社 · 2025年12月期

次の会社を見る

ロボットの関節から自動ドアまで。ナブテスコ3,079億円を貫く「動き」。

2025年12月期のナブテスコは売上高3,079億円、営業利益207億円。最大セグメントは自動ドアを中心とするアクセシビリティソリューション1,107億円、次いで鉄道・航空・船舶などのトランスポートソリューション1,005億円、精密減速機を含むコンポーネントソリューション793億円です。会社推計では、中大型産業用ロボット関節用精密減速機が世界約60%、鉄道ブレーキが国内約50%、鉄道ドアが国内約60%、国産航空機の飛行操縦系が約100%、建物用自動ドアが国内約60%、レトルト食品向け包装機が国内約85%。現在の会社は2003年、鉄道用空気ブレーキを祖業とするナブコと、航空機器・精密機械を育ててきた帝人製機の統合で生まれました。ナブテスコは目立つ完成品を売る会社というより、機械や乗り物や建物の『動き』に入り込み、専門市場で高いシェアを積み上げてきた会社です。

数字から会社を見る →
3,079億円2025年12月期 売上高