株式会社ゼンショーホールディングス · 2026年3月期
すき家の会社は、牛丼を売る会社なのか。
すき家の会社、と聞くと牛丼チェーンを思い浮かべます。でもゼンショーの2026年3月期は、売上1兆2,640億円、世界14,947拠点。しかも海外の拠点数は日本の2倍を超え、売上では『はま寿司』が『すき家』をわずかに上回りました。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
「すき家の会社」と聞けば、まず牛丼が浮かびます。全国にある赤い看板は、それだけ強い会社の顔です。
ところがゼンショーホールディングスの一次資料を順番に見ると、その顔だけでは会社の大部分を説明できません。寿司、海外のテイクアウト、中食、小売、そしてその全部を下から支える調達・製造・物流まで、一つの仕組みに入っています。
まず、売上は1兆円をかなり超えている
この時点で、単一の外食チェーンという規模感ではありません。さらに店舗網を見ると、国内企業という印象も崩れます。
店の3分の2は、もう日本の外にある
拠点数では、海外が約3分の2
2026年3月期の世界展開。ZENSHO STORY掲載値から当サイト計算。
ここで注意したいのは、この海外拠点が全部「すき家」ではないことです。
売上では、はま寿司がすき家を上回った
「ゼンショー=すき家」という印象を最も簡単に崩すのが、セグメント売上です。
『すき家の会社』の売上を、3つの柱で見る
2026年3月期の外部顧客向け売上高。
そして3本目の「グローバル中食」が、さらに会社の見え方を変えます。
欧米では、寿司を“レストラン”だけで売っていない
はま寿司と、この海外テイクアウト寿司を合わせると、さらに印象が変わります。
寿司関連の2事業だけで、グループ売上の4割超
はま寿司と、主に寿司等を扱うグローバル中食を当サイトで合算。
それでも、ゼンショーの本体は“店の種類”だけでは説明できない
店舗ブランドをいくら並べても、ゼンショー自身が強調している仕組みは別のところにあります。MMD(マス・マーチャンダイジング・システム)です。
そのインフラは、いまも海外側へ増設されている
ただ、大きな供給網を持つことは、それだけで「インフラ」になることを意味しません。日々の店舗運営が崩れれば、ブランドへの信頼も業績も傷つきます。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
数字をつなぐと、ゼンショーは「すき家という牛丼チェーンを大きくした会社」だけではありませんでした。
世界14,947拠点のうち10,084拠点が海外。売上では、はま寿司がすき家をわずかに上回り、欧米のテイクアウト寿司まで合わせると寿司関連2セグメントだけで連結売上の42.9%になります。
そして、その多数のブランドを下から支えているのが、調達・製造・物流・販売を一体で設計するMMDです。ゼンショー自身が使う「食のインフラ」という言葉は、店舗数の大きさだけではなく、食材が店に届く前の工程まで自社の事業として抱えていることを指していました。
一方、すき家の営業利益が大きく落ち、衛生対策が続いた2026年3月期は、そのインフラが店舗の日々の運営まで含めて機能しなければ成立しないことも示しています。牛丼は会社の強い入口ですが、会社そのものは「世界で食を作り、運び、売る仕組み」へ広がっています。