東宝株式会社 · 2026年2月期

『国宝』と『鬼滅の刃』から、東宝の収入をたどる。

東宝は、映画を映画館へ届けて宣伝する配給や、観客を迎える映画館の運営、作品の権利利用・商品販売を手がける企業グループです。映画『国宝』と、劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来では、どの仕事が収入につながったのでしょうか。2026年2月期(2025年3月1日〜2026年2月28日)の資料には、作品ごとの金額ではなく、東宝が担う仕事と収入の計上先が示されています。

白紙のチケット、映写機とスクリーン、座席、パンフレットと飲食物のカウンターを一つにつないだ映画館の紙模型

二つの作品に、重なる仕事がある

ただし、同じ役割がすべての作品でそろうわけではありません。決算説明資料の商流表は2026年2月期の実績に基づき、営業収入が「寡少、または無い」項目を「-」としています。『鬼滅の刃』の製作出資配分金も「-」ですが、それだけで出資や権利がゼロと断定はできません。表が示すのは収入の通り道であり、作品別の利益額や持分比率ではないのです。

チケット代は、そのまま東宝の売上にはならない

観客の支払いから、配給と製作へ

東宝のFact BookとIR用語集が説明する、チケット収入の一般的な流れ。

  1. 観客が映画館へチケット代を支払います。

    観客
    チケット代
    映画館

    チケット販売収入の総額が興行収入。映画館は、そのうちの取り分を得ます。

  2. 映画館から配給会社へ映画料が支払われます。

    映画館
    映画料
    配給会社

    映画館の取り分を除いた配給側の収入。配給会社は映画を届け、宣伝を担います。

  3. 配給会社から製作委員会へ、契約に応じた製作者配分金が戻ります。

    配給会社
    製作者配分金
    製作委員会

    配給収入から宣伝費・配給手数料などを差し引き、契約上の割合に応じて戻ります。配給会社の手数料と、出資者への配分は別です。

矢印は受け渡しの関係で、金額や配分比率を表しません。二作品の料率や最終利益を示す図ではなく、東宝が担う役割は作品ごとに異なります。

映画館には、映すための設備と働く人がいる

観客が映画館に来ることで生まれる収入には、こうした運営の負担が伴います。上映する場所を持つ仕事と、作品の利用を許諾する仕事では、売上の背後にある費用も変わります。

出資の配分と、権利を扱う手数料は別にある

DATA VIEW

許諾と商品販売、それぞれの収入

2026年2月期のIP・アニメ事業から選んだ3サービスの外部顧客向け収入(億円)。共通の0起点の尺度。全サービスの構成比や利益の比較ではありません。

許諾と商品販売、それぞれの収入
映像の利用・許諾341.12億円
商品化権等の利用・許諾159.05億円
商品の販売180.54億円

出典:決算短信 p.18。このほかに「その他」の収入もあり、3本の棒でIP・アニメ事業の全体を表してはいません。

実写の『国宝』も、IP・アニメに現れる

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

『国宝』と『鬼滅の刃』は、東宝の配給、映画館、物販という仕事をともに動かしました。その上で、『国宝』には製作出資配分金や、GKIDSによる北米配給・配信という収入の経路も示されています。

ヒットに関わる東宝の姿は、作品ごとに重なる役割の組み合わせです。 観客が支払ったチケット代、映画館を運営して得る収入、配給手数料、出資からの配分、権利の許諾や物販。それぞれの仕事を分けて読むと、二つのヒット作から、東宝という会社の広がりが見えてきます。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

2026年2月期 決算短信

東宝株式会社 · 2026-04-14

使用ページ: p.18 / p.21

原文を開く →

2026年2月期 決算説明資料

東宝株式会社 · 2026-04-14

使用ページ: p.15 / p.95

原文を開く →

FACT BOOK 2026(日英併記)

東宝株式会社

使用ページ: p.8 / p.25

原文を開く →

IP・アニメ事業説明資料(2025年12月)

東宝株式会社 · 2025-12-10

使用ページ: p.57-58

原文を開く →

2026年2月期 決算説明会 質疑応答要旨

東宝株式会社

使用ページ: p.2

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タカラトミーはコマをつくり、対戦の場も育てる

タカラトミーは、玩具を開発するとともに、遊びを知り、試し、対戦する機会を広げています。2026年3月期のグループ全体の広告宣伝費は191.33億円、研究開発費は67.23億円でした。ベイブレードは、部品を組み替えるコマ、店頭イベント、大会、オンラインの遊びがつながる具体例です。ただし、ブランド別の費用や施策ごとの採算は開示されておらず、接点の広がりを利益への貢献額に置き換えることはできません。

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191.33億円2026年3月期 連結広告宣伝費