東宝株式会社 · 2026年2月期
『国宝』と『鬼滅の刃』から、東宝の収入をたどる。
東宝は、映画を映画館へ届けて宣伝する配給や、観客を迎える映画館の運営、作品の権利利用・商品販売を手がける企業グループです。映画『国宝』と、劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来では、どの仕事が収入につながったのでしょうか。2026年2月期(2025年3月1日〜2026年2月28日)の資料には、作品ごとの金額ではなく、東宝が担う仕事と収入の計上先が示されています。
使用資料 6件公開 2026-10-20最終確認 2026-10-20
二つの作品に、重なる仕事がある
ただし、同じ役割がすべての作品でそろうわけではありません。決算説明資料の商流表は2026年2月期の実績に基づき、営業収入が「寡少、または無い」項目を「-」としています。『鬼滅の刃』の製作出資配分金も「-」ですが、それだけで出資や権利がゼロと断定はできません。表が示すのは収入の通り道であり、作品別の利益額や持分比率ではないのです。
チケット代は、そのまま東宝の売上にはならない
観客の支払いから、配給と製作へ
東宝のFact BookとIR用語集が説明する、チケット収入の一般的な流れ。
観客が映画館へチケット代を支払います。
チケット販売収入の総額が興行収入。映画館は、そのうちの取り分を得ます。
映画館から配給会社へ映画料が支払われます。
映画館の取り分を除いた配給側の収入。配給会社は映画を届け、宣伝を担います。
配給会社から製作委員会へ、契約に応じた製作者配分金が戻ります。
配給収入から宣伝費・配給手数料などを差し引き、契約上の割合に応じて戻ります。配給会社の手数料と、出資者への配分は別です。
矢印は受け渡しの関係で、金額や配分比率を表しません。二作品の料率や最終利益を示す図ではなく、東宝が担う役割は作品ごとに異なります。
映画館には、映すための設備と働く人がいる
観客が映画館に来ることで生まれる収入には、こうした運営の負担が伴います。上映する場所を持つ仕事と、作品の利用を許諾する仕事では、売上の背後にある費用も変わります。
出資の配分と、権利を扱う手数料は別にある
DATA VIEW許諾と商品販売、それぞれの収入
2026年2月期のIP・アニメ事業から選んだ3サービスの外部顧客向け収入(億円)。共通の0起点の尺度。全サービスの構成比や利益の比較ではありません。
映像の利用・許諾341.12億円
商品化権等の利用・許諾159.05億円
商品の販売180.54億円
出典:決算短信 p.18。このほかに「その他」の収入もあり、3本の棒でIP・アニメ事業の全体を表してはいません。
実写の『国宝』も、IP・アニメに現れる
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
『国宝』と『鬼滅の刃』は、東宝の配給、映画館、物販という仕事をともに動かしました。その上で、『国宝』には製作出資配分金や、GKIDSによる北米配給・配信という収入の経路も示されています。
ヒットに関わる東宝の姿は、作品ごとに重なる役割の組み合わせです。 観客が支払ったチケット代、映画館を運営して得る収入、配給手数料、出資からの配分、権利の許諾や物販。それぞれの仕事を分けて読むと、二つのヒット作から、東宝という会社の広がりが見えてきます。