セーレン株式会社 · 2026年3月期

セーレンが車のシート材につくり込む軽さと触り心地

セーレンは、自動車のシート表皮材やエアバッグ、衣料用の生地などを企画・製造する繊維メーカーです。自動車メーカー向けには、座席を覆う合成皮革や布地から、内装の加飾部品までを供給しています。

車の座席を覆う柔らかな素材が、質感の異なる生地と糸巻きへつながるイメージ。

車のシートに腰を下ろすと、最初に体が触れるのは表皮材です。セーレンの合成皮革QUOLE(クオーレ)は、その表面の見た目や感触だけでなく、素材の重さも設計の対象にしています。

手で触れる表面を、用途に合わせる

糸と生地を、座席を覆う形にする

セーレンの車輌資材事業は、素材をつくる工程から裁断・縫製までをグループ内で持っています。

糸から生地へ

二つの糸巻きから伸びる糸と、縦糸・横糸の交差を見せた生地、加工後の素材を表すロール。

原糸、編み・織り、加工を管理する。

形に合わせて仕上げる

生地の上にある曲線の裁断パーツ、はさみ、縫い目。ロール状の素材を部品に使う形へ仕上げる作業の模式図。

裁断した生地を縫い、部品に使う形へ。

人が触れる表面になる

背もたれと座面に表皮を持つ自動車の座席。破線が表皮部分と拡大した生地見本を結び、見本には色と触感を表す異なる模様がある。表皮材

感触や色に加え、用途に合わせた機能を提案する。

車輌資材事業の工程を簡略化した図です。特定のQUOLE製品の層構造や、すべての工程の順序を示すものではありません。座席は素材の用途であり、完成シート全体の製造を示していません。

原糸から、座席を覆う形まで

素材の提案を、各地の受注につなぐ

DATA VIEW

車輌資材事業の営業利益

単位:億円。2025年3月期と2026年3月期の実績。0起点の共通尺度。前期は変更後のセグメント区分に組み替えた数値です。

車輌資材事業の営業利益
2025年3月期139.54億円
2026年3月期161.99億円

出典:決算説明資料 PDF p.9。当期には、2026年1月に連結子会社としたNBセーレンの自動車向け資材なども加わっています。

グループ全体の連結売上高は1,717.65億円、営業利益は208.32億円でした。衣料繊維などのハイファッション、エレクトロニクス、環境・生活資材、メディカルなども営んでいます(決算説明資料 PDF pp.5–6)。

次の素材を量産するための投資

CONCEPT MAP

素材を選ばれる製品にするために

会社の製品説明と生産体制を整理した図です。各機能の売上比率や、特定製品の製造仕様を示すものではありません。

車内で使う表皮材自動車メーカーが求める感触・見た目・機能を提案
  1. 素材の性質軽さやソフトな触り心地をつくる
  2. 用途ごとの機能温度制御・防汚・通気などを付加する
  3. 生産と仕上げ原糸から加工、裁断・縫製までを管理する

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

セーレンが自動車メーカーに届けるのは、座席の表面に使う素材と、その感触や機能をつくり分ける技術です。本革との軽さの比較や、製造時の溶剤使用に関する数字は、素材と工程の両方を設計する仕事を示しています。

2026年3月期には、車輌資材事業で1,152.58億円の売上を得ました。新しい素材を提案し、車種ごとの受注を取り、生産・品質・費用を管理する。その積み重ねが、手で触れる一枚の表皮材の後ろにあります。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

2026年3月期 決算短信

セーレン株式会社 · 2026-05-13

使用ページ: p.4

原文を開く →

2025年度(2026年3月期)決算説明資料

セーレン株式会社 · 2026-05-13

使用ページ: p.28-30

原文を開く →

NEXT COMPANY

株式会社椿本チエイン · 2026年3月期

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二本の鎖を噛み合わせて荷物を押し上げる椿本チエイン

椿本チエインは、チェーンの形と動きを工夫し、荷物を押し上げる装置までつくります。ジップチェーンは、二本が噛み合うと柱になり、分かれるとケースへ収納できる機構です。一方、2026年3月期のチェーン事業とモーションコントロール事業には、15.1%と4.1%という営業利益率の差がありました。2026年4月の統合は、商品の組み合わせを顧客への提案や導入後のサービスにも広げるためのものです。その収益効果は、今後の実績で確かめる必要があります。

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15.1%2026年3月期 チェーン事業の営業利益率