オリックス株式会社 · 2026年3月期
オリックスは、リース会社なのか。
オリックスは、1964年にリース会社として始まりました。その出発点はいまも重要です。リースには金融とモノの両方を見る力が必要で、その二つの専門性が隣接事業へ広がっていきました。ただ、現在の数字を見ると、単なる多角化企業という説明でも足りません。2026年3月期には1.1兆円を回収し、8,000億円を新規投資へ回しています。何を持つ会社かより、資本の置き場所をどう変える会社かを見ると、オリックスの輪郭が見えてきます。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
オリックスと聞いて、まず思い浮かべる事業はリースかもしれません。
それは会社の原点として正しい見方です。
ただ、その原点をたどると、現在の多角化は「何でもやる会社」になった結果ではなく、リースで身につけた二つの見方を横へ広げてきた結果だと分かります。
1964年、13人でリースから始まった
リースは、単にお金を貸す仕事ではありません。
リースには「金融」と「モノ」の二つの専門性が要る
その結果、2026年3月期までの開示では10セグメントを持つ会社になりました。
祖業を含むセグメントだけが利益の中心ではない
利益源は一つではない
2026年3月期の主要セグメント利益。
ただ、ここで「主力が環境エネルギーに変わった」と読むのも早すぎます。
その年の利益には、売却が大きく効いているからです。
環境エネルギー利益1,158億円には、大きな売却益が入る
オリックスは、その動きを「キャピタルリサイクリング」と呼んでいます。
2026年3月期のキャピタルゲインは2,652億円
回収した資本は、そのまま会社の外へ出ていくわけではありません。
1.1兆円を回収し、8,000億円を新規投資へ
売却して終わりではなく、次へ回す
2026年3月期のキャピタルリサイクリング。
この循環は、2026年だけに突然始まったものではありません。
会社は、13年間で純利益4.0倍と説明する
現在は、事業を「何業か」だけではなく三つの機能でも整理しています。
金融・事業・投資を、同じ会社の中で組み合わせる
さらに、自己資金だけで事業を大きくする形から、他者の資産を運用してフィーを得る形も伸ばそうとしています。
AUMは63兆円から100兆円へ
そのため、中期計画が強調するのも「新しい主力事業を一つ決めること」ではありません。
低収益資産を回し、高収益の事業へ資本を移す
ここまでつなぐと、「リース会社か、そうではないか」という二択ではありません。
リースで得た金融とモノの専門性を隣へ広げ、その先で事業を運営し、価値を高め、売却し、回収した資本をまた別の領域へ移している。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
数字をつなぐと、オリックスは「リース会社」から、金融・事業運営・投資を組み合わせて、資本の置き場所を入れ替え続ける会社に見えてきます。
祖業を含む法人営業・メンテナンスリースの2026年3月期セグメント利益は1,007億円。しかし事業投資・コンセッションは1,256億円、環境エネルギーは1,158億円、保険は1,029億円あり、利益源は一つではありません。そして環境エネルギーの大幅増益に950億円のGreenko売却・評価益が含まれるように、重要なのは「どの事業が一番か」だけではありません。
2026年3月期は2,652億円のキャピタルゲインと1.1兆円のCash Inを得ながら、8,000億円を新しい投資へ回しました。今後はAUMを63兆円から100兆円規模へ伸ばす会社目標も掲げています。リースから始まった「金融とモノを見る力」が、いまは資産や事業を買い、運営し、売り、次へ資本を移す仕組みへ発展している。 それが現在のオリックスの見え方です。