富士フイルムホールディングス株式会社 · 2026年3月期

写真の技術を棚卸しする。富士フイルムが見つけた次の用途。

富士フイルムは、写真を撮る人にカメラやinstax、企業に複合機や業務支援サービス、医療機関に診断機器を提供するグループです。半導体メーカーへ材料を供給し、製薬会社からは薬の開発・製造を引き受けています。

写真で磨いた技術の、その先

製薬会社が確保する、16基のうち12基相当の生産能力

Bio CDMOは、製薬会社やバイオベンチャーに代わって、薬をつくる細胞株や製造工程の開発、治験薬・商用医薬品の製造などを行う事業です。顧客は開発・製造の仕事を委託し、富士フイルムは自社の技術と生産設備を使って応えます(バイオCDMO事業説明会 p.14)。

製薬会社の薬を、富士フイルムの工場でつくる

Bio CDMOの受託関係。開発・製造の範囲は顧客の案件に応じます。

製薬会社・バイオベンチャー

薬の開発・製造を委託する

開発・製造の依頼

製造量の契約・合意

必要な生産能力を確保する

富士フイルムが受託

富士フイルムのBio CDMO

製造工程を開発し、設備で薬をつくる

細胞株・工程の開発 → 治験薬・商用医薬品の製造

12/16基相当は、米国新拠点で販売済みとした生産能力。契約に加えて予定製造数量の非公式合意を含みます。設備の所有権を顧客へ移す話ではありません。

出典:バイオCDMO事業説明会受託内容 p.14米国の生産能力 p.23「販売済み」の定義 p.24

2011年、バイオ医薬品の製造受託へ本格参入

四つの事業を合わせて、売上3兆3,570億円

ヘルスケアは、すでに1兆円を超える

事業内容は統合報告書2025の製品・サービス一覧 p.20とビジネスイノベーション p.60–61に基づきます。

DATA VIEW

誰に何を届けるかが異なる、四つの売上

2026年3月期のセグメント売上高(億円)。すべて実績で、棒は0を起点にした共通尺度。

誰に何を届けるかが異なる、四つの売上
ビジネスイノベーション1兆1,748億円
ヘルスケア1兆989億円
イメージング6,271億円
エレクトロニクス4,562億円

出典:2026年3月期 決算説明会 p.10。エレクトロニクスは半導体材料やディスプレー材料、データ記録用メディアなどを扱います。

イメージングは、売上の18.7%

イメージングの営業利益は1,600億円

写真フィルム市場の縮小で、「技術の棚卸し」をした

1枚の写真には、化学・薄膜・画像・精密加工が詰まっていた

CMPスラリーは、銅配線用途でNo.1シェア

会社は、配線層の増加や先端パッケージでの用途拡大に伴い、CMPスラリーの使用量が増えると見込んでいます(半導体材料事業説明会 p.37)。

半導体材料は、2030年度に売上5,000億円を目標

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

富士フイルムは、写真で培った技術と、買収で加えた事業を組み合わせ、顧客に提供する仕事を広げてきた会社です。

オフィス・印刷の現場には機器や業務支援を、半導体メーカーには加工材料を届けます。Bio CDMOでは、製薬会社の開発・製造を引き受け、その仕事を実行する工場を持ちます。12/16基相当という数字が示すのは、この生産能力への契約や合意の進み具合です。

2026年3月期のイメージングは売上の18.7%、営業利益1,600億円でした。写真の事業が利益を生み、その隣で異なる顧客と設備、材料を扱う事業が動いています。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

2026年3月期 決算説明会

富士フイルムホールディングス株式会社 · 2026-05-12

使用ページ: p.10 / p.10-14

原文を開く →

統合報告書2025

富士フイルムホールディングス株式会社

使用ページ: p.17 / p.20

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半導体材料事業説明会

富士フイルムホールディングス株式会社 · 2025-12-10

使用ページ: p.34-36 / p.51

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バイオCDMO事業説明会

富士フイルムホールディングス株式会社 · 2026-02-19

使用ページ: p.23-24

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NEXT COMPANY

株式会社椿本チエイン · 2026年3月期

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二本の鎖を噛み合わせて荷物を押し上げる椿本チエイン

椿本チエインは、チェーンの形と動きを工夫し、荷物を押し上げる装置までつくります。ジップチェーンは、二本が噛み合うと柱になり、分かれるとケースへ収納できる機構です。一方、2026年3月期のチェーン事業とモーションコントロール事業には、15.1%と4.1%という営業利益率の差がありました。2026年4月の統合は、商品の組み合わせを顧客への提案や導入後のサービスにも広げるためのものです。その収益効果は、今後の実績で確かめる必要があります。

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15.1%2026年3月期 チェーン事業の営業利益率