株式会社ディスコ · 2026年3月期
先に溝を入れてから削るディスコの薄型化技術
ディスコは、半導体や電子部品のメーカーに、材料を切る・削る・磨く装置と、その装置で使う砥石などの消耗品を供給する会社です。円盤状のウェーハを小さなチップへ切り分けたり、薄くしたりする工程を、加工方法の提案や保守とともに支えています。
使用資料 5件公開 2026-10-21最終確認 2026-10-21
PROCESS VIEW溝の底まで削るとチップが分かれる
DBGの主な加工を、ウェーハの断面で見る。加工するのは顧客の材料です。
1
厚みがあるうちに溝を入れる
ダイシングソーと刃で、仕上げるチップ厚さまで切り込みます。まだ切り離しません。
2
表面を保護して裏から削る
表面に保護テープを貼り、裏返します。グラインダとホイールが裏面を削ります。
3
溝に届くと薄いチップに分かれる
研削が溝に達すると、チップは分離します。表面側は保護テープで支えられています。
断面の模式図。寸法・刃の形状・移動量は実物と比例していません。図は薄化・分離までを示し、その後のフレームへの移し替えと保護テープの剥離は省略しています。
出典:ディスコ「DBG(Dicing Before Grinding)プロセス」
刃とホイールにそれぞれの仕事がある
顧客の材料を預かり加工条件を試す
会社は、こうした購入前のフィードバックをビジネスモデルの入口と位置づけています(第87期 有価証券報告書 p.10)。
BUSINESS RELATIONSHIP加工結果を支える四つの役割
顧客の材料と求める仕上がりに合わせて組み合わせる仕事です。売上の四つの会計区分を示した図ではありません。
顧客が求める加工結果切り分ける・薄くする・表面を仕上げる
- 精密加工装置刃やホイールを動かし加工する
- 精密加工ツール刃や砥石が材料に働きかける
- アプリケーション製品と加工条件を選び検証する
- アフターサービス導入後の稼働を保守や研修で支える
装置の導入と工場の稼働が別々の売上につながる
ここからは、2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の連結実績です。会社の資料でいう「2025年度」に当たります。
DATA VIEW機械と消耗品の売上を同じ尺度で見る
2026年3月期の連結製品別売上高。単位は億円、0起点の共通尺度です。出荷額ではなく売上高を比較しています。
精密加工装置2,739.57億円
精密加工ツール949.76億円
その他679.55億円
出典:第87期 有価証券報告書 p.127。表示額は百万円未満切捨てのため、内訳合計と公表された連結売上高には1百万円の差があります。装置・ツール・その他は製品別の区分です。
加工する半導体によって需要の強さは違う
冒頭のDBGは、装置とツールの使い方を示す一例です。DBG単独の売上高や、この年度の増収に対する寄与額は開示されていません。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
ディスコの仕事は、顧客の材料に合う装置とツールを選び、必要な加工結果を出せる条件を探ることから始まります。先に溝を入れてから裏を削るDBGは、その組み合わせを具体的に見せます。
2026年3月期には、装置の売上に加えて949.76億円の消耗品ツール売上がありました。購入前の検証、工場で続く加工、新しい材料や工程への研究開発。そのつながりに、ディスコの事業が見えてきます。