株式会社バンダイナムコホールディングス · 2026年3月期
バンダイナムコは、ゲームの会社なのか。
バンダイナムコと聞けば、『ELDEN RING』や『ドラゴンボール』などのゲームを思い浮かべる人も多いはずです。実際、2026年3月期のデジタル事業は売上4,765.9億円。ただ、トイホビー事業は6,739.7億円で、それより大きい。だからといって『実は玩具会社』で終わると、会社の仕組みを見落とします。バンダイナムコ自身が強みと呼ぶのは、ひとつのIPを映像、玩具、カード、ゲーム、施設へまたいで育てる「IP軸戦略」です。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
バンダイナムコと聞いて、まずゲームを思い浮かべるのは自然です。
『ELDEN RING』『ドラゴンボール』『ONE PIECE』『アイドルマスター』。2026年3月期にも、新作や運営タイトルがデジタル事業を大きく動かしました。
でも、会社の数字を事業別に並べると、ゲームだけでは輪郭が合いません。
売上は1兆3,482億円
このうち、ゲームを中心とするデジタル事業はかなり大きい。
デジタルだけで4,765.9億円
ただし、同じ会社の中に、それより大きい事業があります。
トイホビーは6,739.7億円
ゲーム中心のデジタルより、トイホビーの売上が大きい
2026年3月期の会社開示セグメント売上高。セグメント間売上を含むため、連結売上高の構成比ではありません。
「では、バンダイナムコはゲーム会社ではなく玩具会社なのか」。
それも少し違います。
利益を見るとトイホビーの強さはさらに目立ちますが、映像音楽やアミューズメントまで含めて複数の事業が並んでいるからです。
トイホビーのセグメント利益は、デジタルの2倍超
同じグループに、異なる4つの稼ぎ方がある
2026年3月期のセグメント利益。
この4事業を別々の会社の集合として見るより、共通のものを中心に置くと分かりやすくなります。
それがIPです。
会社が強みと呼ぶのは「IP軸戦略」
つまり、ゲーム、玩具、カード、映像、施設は「どれが本業か」を競うだけの箱ではありません。
同じIPに、違う入口を作るための箱でもあります。
その仕組みが数字として見えやすいのがガンダムです。
ガンダムは2,543億円
前年は1,535億円でした。
1年で約65.7%増えた
では、何を連動させたのでしょうか。
新作映像、万博、商品・サービスを同時に動かした
ゲームだけでも、玩具だけでも、この説明にはなりません。
映像が話題をつくり、プラモデルやカードが手元に残り、ゲームで遊び、リアルな施設やイベントでも接触する。
同じIPが、事業の境界をまたいで何度もファンと出会います。
4事業の数字が、1つのIPでつながる
ここまで見ると、「ゲーム会社か、玩具会社か」という二択そのものが少し窮屈に見えてきます。
デジタルは4,700億円を超える。トイホビーはさらに大きい。映像音楽はIPの話題を生み、アミューズメントはリアルな接点になる。
会社はそれらを、IPを中心に連動させています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
バンダイナムコはゲームをやめて玩具の会社になったわけではありません。
2026年3月期のデジタル事業は4,765.9億円。十分に巨大です。ただ、トイホビーは6,739.7億円、セグメント利益も1,269.4億円とさらに大きい。そこへ映像音楽とアミューズメントが加わります。
この並びを会社自身は「IP軸戦略」でつないでいます。ガンダムでは、新作映像、万博パビリオン、各事業の商品・サービスを連動させ、商品・サービス売上高は2,543億円まで伸びました。
だからバンダイナムコを「ゲーム会社」「玩具会社」のどちらかに決めるより、ひとつのIPを映像、玩具、カード、ゲーム、リアルな場へ何度も置き直し、長く大きくしていく会社として見る方が、現在の数字はつながって見えます。