ZOZO · 2026年3月期
倉庫を通らない取引も、ZOZOの物流費率を動かす。
ZOZOは、消費者がブランドの服を買うファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営しています。服がZOZOの倉庫を通らなくても、その買い物が物流費の比率に入ってくる。2026年3月期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の荷造運賃は前年より増えた一方、商品取扱高(その他除く)に対する比率は6.5%から5.9%へ下がりました。服を預かって売る仕事と、買う人を店へ案内する仕事。その違いが、この数字に表れています。
使用資料 3件公開 2026-10-20最終確認 2026-10-20
荷造運賃の金額と比率が、逆に動いた
DATA VIEW費用と、それを割る取引の金額
2025年3月期 → 2026年3月期。連結の会社開示値。費用と比率は決算説明会資料p.21、分母は決算短信p.4。
37,363 → 37,861荷造運賃の金額(百万円)費用そのものは増加
574,666 → 646,162分母:商品取扱高(その他除く、百万円)取引の金額が増え、集計にLYSTも加わった
6.5% → 5.9%荷造運賃 ÷ 商品取扱高(その他除く)会社開示の比率。金額と割合は別の単位
この分母には、どんな買い物が集まっているのでしょうか。まず、ZOZOTOWNの受託販売で、服がたどる道筋を見ます。
服を買い取らなくても、倉庫の仕事はある
Lystがつなぐのは、服を探す人と掲載店舗
服が動く道と、買う人を案内する道
2026年3月期の受託販売とLYSTのアフィリエイトモデル。矢印が表すものを分けて読みます。
受託販売:服の移動
- 服を預ける→
- 服を届ける→
○ブランド → ZOZO:受託販売手数料ZOZOTOWNでの販売・物流・顧客対応をまとめて担う
LYST:購入先への案内
- 商品を探す⇢
- 店舗へ送客⇢
○掲載パートナー → LYST:購入成立に応じた手数料掲載店舗で買われた服は、ZOZOが預かる受託在庫の経路には入りません。
受託販売ではZOZOが現物を預かりますが、在庫リスクは負いません。LYSTの開示は同社の物流関連費・荷造運賃・代金回収手数料の範囲で、配送そのものがなくなるという意味ではありません。線の長さは取扱高や収益の大きさを表していません。
有価証券報告書:事業の内容 p.5受託販売 p.96アフィリエイト p.97決算短信・費用の範囲 p.5
買い物を支える仕事服を預かる道と、買う人を案内する道
2026年3月期の受託販売とLYSTの送客。上は服の移動、下は購入者の案内先を示します。
ファッションの購入服を動かす仕事と、購入へ導く仕事
- 受託販売:服を預かって届けるブランドの服 → ZOZOが保管・発送 → 購入者。手数料はブランドからZOZOへ。
- LYSTの送客:掲載店舗での購入へ服を探す人 → Lystの案内 → 掲載店舗で購入。手数料は掲載パートナーからLYSTへ。
倉庫の中と、配送の条件にも改善があった
分母が変わった一方で、服を扱う現場の変化も開示されています。
低い費用比率の先に、残るコスト
倉庫やシステムを使い続ける費用を、どこまで利益指標に残すか。ZOZO自身も、その見方を変えると説明しています。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
ZOZOの2026年3月期には、服を預かって販売・物流を引き受ける仕事と、買う人を店舗へ送る仕事が、一つの商品取扱高の中に並びました。
荷造運賃は増え、物流関連費は減りました。どちらも商品取扱高(その他除く)に対する比率は下がっています。会社はLYSTの連結に加え、それぞれの費用について配送条件や倉庫作業の改善を説明していますが、要因別の効果の大きさを分けてはいません。
同じ金額の服が売れても、会社が引き受ける仕事まで同じとは限らない。 取扱高の先に、服を置く場所、発送する作業、購入へ導く役割を見ると、ZOZOの物流費率が動いた理由を、現場と事業構成の両方から読めます。