株式会社日立製作所 · 2026年3月期
日立、売上の4割がLumada。
日立と聞けば、家電や鉄道、エレベーター、発電設備など、いくつもの製品が浮かびます。2026年3月期の数字を見ると、そのばらばらに見える事業を横断する別の軸がかなり大きくなっています。会社がLumadaと呼ぶ事業は4兆1,460億円。全社売上の40%です。ただし、その半分以上はソフトウェアではなく「デジタライズドアセット」。物理設備とデジタルを分けずに見ると、現在の日立の形が見えます。
投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。
日立と聞いて、最初に思い浮かぶものは人によって違います。
冷蔵庫や洗濯機。鉄道。エレベーター。発電設備。IT。
どれも日立の一部です。
ただ、2026年3月期の数字を並べると、その多様な事業を横断する別の軸が大きくなっています。
売上収益は10兆5,867億円
まず、日立がいま何を売っている会社なのかを4つの主要セクターで見ます。
3兆円級の事業が2つある
日立の4つの主要セクター
2026年3月期のセクター売上収益。
なかでも伸びが大きかったのがEnergyです。
Energyは23%増
DSSも、単独で3兆円近い規模があります。
DSSは2兆9,400億円
鉄道を含むMobilityも別の大きな柱です。
Mobilityは1兆3,215億円
ここまでなら、大きなインフラ・産業企業として読めます。
しかし日立は、4つのセクターとは別に、横断的な「Lumada」という事業のまとまりを開示しています。
Lumadaは4兆1,460億円
全社売上の4割がLumada。
ただし、ここで「日立はソフトウェア会社になった」と読むと違います。
Lumadaの56%はデジタライズドアセット
Lumadaはソフトウェアだけではない
FY2025のLumada事業売上収益。
そのデジタルサービス側で、日立が伸ばそうとしているのがHMAXです。
HMAXは3,000億円、利益率22%
Lumadaがセクター横断であることは、内訳にも表れています。
Lumadaは4セクターすべてに入っている
つまり、日立のデジタル化は「物をやめてソフトへ移る」という形ではありません。
物理設備を持っていること自体が、デジタルサービスを増やす材料になっています。
物理アセットが、次のデジタルサービスの源泉
日立の現在を、家電かITか、インフラかデジタルかという二択で見ると、重要な部分を落とします。
THE VIEW AFTER THE NUMBERS
数字をつなぐと、こう見えた
2026年3月期の日立は、売上収益10兆5,867億円の巨大企業です。
Connective IndustriesとEnergyはそれぞれ3兆円超、DSSは2.94兆円、Mobilityは1.32兆円。送配電、鉄道、産業設備、ITが並ぶ会社です。
その一方で、セクターを横断するLumada事業は4兆1,460億円、売上比率40%まで大きくなりました。
しかもLumadaの56%はDigitalized Assets、44%はDigital Services。HMAXは3,000億円、Adjusted EBITA率22%です。
日立は物理インフラをやめてデジタル企業になったのではありません。
送配電や鉄道、産業設備といった物理アセットを持つこと自体を、デジタルサービスを生む強みに変えようとしている会社です。
使用した一次資料
2026年3月期 連結決算の概要
株式会社日立製作所 · 2026-04-27
使用ページ: p.3 / p.4 / p.30-31 / p.31
原文を開く →