株式会社ツムラ · 2026年3月期

ツムラの生薬調達は、畑の原価までさかのぼる

ツムラは、医師が処方する漢方薬を中心に製造・販売する製薬会社です。生薬を原料にエキス粉末をつくり、顆粒にして包装する工程を持ち、医薬代理店・卸を通じて医療機関へ届けています。

生薬の畑で栽培者と担当者が植物を確認し、乾燥した原料の選別台と加工設備へつながる場面

ツムラの生薬調達では、畑での育て方と買い値がつながっています。会社は、自ら直接栽培を指導でき、栽培コストを把握し、それに基づいて購入価格を設定できる畑を「自社管理圃場」と呼んでいます。

育てる費用を知り、買い値を決める

畑に関わる目的には、生薬の品質と価格を安定させることがあります。会社は、自社管理圃場の拡大によって調達価格指数が安定して推移したと説明し、野生生薬の栽培化、収量の向上、加工の自動化も挙げています。

DATA VIEW

直近3年の生薬調達価格指数

会社定義の使用量加重平均価格。2006年度=100、棒は0起点。2023・2024・2025年度は、それぞれ2024・2025・2026年3月期です。

直近3年の生薬調達価格指数
2023年度239
2024年度226
2025年度229

出典:2025年度 決算説明会資料 PDF p.46/誌面p.45。個別の生薬の単価や、製品の販売価格を示す指数ではありません。

畑での調達が、漢方薬の製造につながる

栽培を指導し、原価を把握して生薬を買い、選別・加工して製品へ進めます。

  1. 1畑と栽培コストを知る

    葉と根を持つ植物が育つ畝のそばで、担当者が畑を見て帳面を確認する。栽培指導と費用把握を示す図。栽培コスト

    自社管理圃場では、ツムラが直接栽培を指導でき、栽培費用に基づいて購入価格を設定できます。

  2. 2生薬を選別・調合する

    生薬の袋から出た不ぞろいの根や葉が、検査部の付いた選別用コンベヤーを通る図。生薬

    石岡・夕張では生薬自動選別機が稼働。調合指示システムも、原料を製造へ進める仕事を支えます。

  3. 3粉末から顆粒・包装へ

    製造用の容器と粉末のホッパーから、顆粒と小分け包装へ続く図。装置の配置は模式的。漢方製剤

    エキス粉末の製造、造粒・包装を経て漢方製剤に。途中の原料・仕掛品にも在庫が生じます。

植物・装置・配置は模式図です。すべての工程、品目、拠点を再現していません。自社管理圃場は土地を所有するという意味ではありません。

出典:2026年5月資料 pp.46–47 · 2025年5月資料 pp.12、37

仕入れた生薬を、使える原料へ進める

その先には、エキス粉末の製造、造粒・包装という別の工程があります。2026年5月の投資計画も、これらの製造工程と、生薬の保管能力を分けて示しています(決算説明資料 PDF p.47)。

備えを持ちながら、原料を滞らせない

2026年5月の説明でも、営業キャッシュ・フローの計画には、業務上のCCC改善による増加と、事業継続に備えた在庫の積み増しによる減少を両方織り込んでいます(決算説明スクリプト PDF p.38)。必要な備えを確保しながら、使う原料を製造へ進めることが課題です。

CONCEPT MAP

畑から製品まで、管理する対象が変わる

ツムラが開示する調達と製造の仕事を整理しています。

漢方薬の原料を確保する生薬の調達と加工
  1. 畑栽培を直接指導し、栽培コストを把握する
  2. 購入価格把握したコストを基に買い値を設定する
  3. 工場・在庫選別と調合を進め、安定供給と適正在庫を両立させる

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

ツムラは、生薬の育て方と栽培コストを知るところまで調達を広げています。畑の原価を買い値につなげ、その生薬を選別し、調合して、製品へ進める仕事です。

原料を確保することと、必要な製品へ効率よく変えること。 調達価格指数と原材料在庫を一緒に読むと、漢方薬の供給を支える二つの仕事が見えてきます。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

2025年度 決算説明会資料

株式会社ツムラ · 2026-05-13

使用ページ: p.17 / p.18 / p.46

原文を開く →

2024年度決算および第2期中期経営計画説明会資料

株式会社ツムラ · 2025-05-12

使用ページ: p.12 / p.54

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2025年度 決算説明会スクリプト(質疑含む)

株式会社ツムラ

原文を開く →

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