東日本旅客鉄道株式会社 · 2026年3月期

鉄道の周りで育つ、JR東日本の駅・街・Suica。

JR東日本は、通勤・通学や旅行をする人に鉄道サービスを提供しています。グループはNewDaysなどの小売店やホテルを運営し、商業施設・オフィスを使う企業には場所を提供しています。

線路の外へ広がる、もう一つの生活基盤

電車に乗る人の運賃から

乗客は目的地へ移動するために、運賃や料金を払います。これがJR東日本の鉄道事業の基本です。FACT BOOK 2026 p.6–7では、鉄道を中心にバスなども含む運輸と、流通・サービス、不動産・ホテル、その他を分けて説明しています。

DATA VIEW

売上の約3分の2は運輸

2026年3月期。生活ソリューション側は流通・サービス、不動産・ホテル、その他の合計。

営業収益: 運輸 66.3%, 生活ソリューション3セグメント 33.7%営業収益
運輸66.3%生活ソリューション3セグメント33.7%

残る約3分の1も、売上は1兆円を超えています。その中には、商品を売る仕事と、店やオフィスに使う場所を貸す仕事があります。

駅の店での売上と、場所を貸す収入

グループの小売店では、買い物客が払う商品代金が小売の売上になります。一方、外部テナントが入る施設では、テナント企業がグループに賃料を払い、買い物客への商品の販売はテナント自身の取引です。宿泊客が部屋を利用するホテルにも、別の収入があります。いずれも駅の周辺で見かける商売ですが、支払う相手と受け取るサービスが違います(事業区分、リテール、不動産・ホテル)。

駅で交わされる三つの支払い

鉄道利用・グループ店舗での買い物・入居の、別々の取引例です。

  • 電車に乗る

    乗客
    運賃・料金
    移動
    線路の上を走る電車JR東日本の鉄道
  • グループの店で買う

    買い物客
    商品代金
    商品
    店頭の商品と買い物袋グループの小売店
  • 施設に入居する

    テナント企業
    賃料
    使う場所
    店舗やオフィスが入居する建物グループの不動産事業

外部テナントの店での買い物代金は、その店の売上です。グループが受け取る賃料とは分けて考えます。

Suicaは対応する乗車や買い物の支払いに使う手段です。支払額をそのまま別のSuica売上として足す図ではありません。

出典:FACT BOOK 2026 p.6 · Group Report 2025 p.49 · 不動産 p.53 · Suica p.56

売上では運輸が大きい一方、利益では非運輸3セグメントの合計が運輸を上回ります。

DATA VIEW

2026年3月期のセグメント利益

各セグメントの会社公表値。非運輸3セグメントの合計は当サイト計算。

1,944億円運輸
680億円流通・サービス
1,282億円不動産・ホテル
302億円その他

駅の周りの不動産を、開発・売却・運用する

会社は、この生活ソリューション側で不動産を成長の柱にしようとしています。場所を持ち続けて賃料を得るほかに、開発して売る、資産を運用するという仕事があります。

Group Report 2025 p.53は、社有地の開発・売却に加え、外部の不動産を取得し、価値を高めて売却する回転型ビジネスを説明しています。不動産ファンド事業では、資産運用規模を拡大してアセットマネジメントフィーを増やす方針です。開発・売却と、保有・賃貸、運用の手数料は、それぞれ異なる収益の得方です。

人の移動と別の事業を結びつける考えは、街づくりにもあります。

Suicaがつなぐ支払いとサービス

駅という場所に加え、利用者と接点を持つ手段としてSuicaがあります。対応する鉄道や店で、利用者はSuicaを使って運賃や商品代金を支払えます。

会社が変えようとしているのは、そのSuicaをどのような場面で使えるかです。

駅とSuicaを、会社はどう結びたいのか

鉄道が生むのは、駅を行き来する人の流れと、事業を営む場所への接点です。会社はその接点を、既存の商業・不動産事業から将来のデジタルサービスまで広げようとしています。

記事の見取り図

鉄道が生む「人」と「場所」を、別の事業へつなぐ

モビリティが生む顧客接点と駅という場所を、生活ソリューションへ広げる構造。

鉄道・モビリティ最大事業であり、人の流れと駅という場所を生む
  1. 駅・流通駅ナカ、商業、サービス
  2. 不動産・ホテル街づくりと回転型不動産
  3. Suica・金融移動から決済、生活の接点へ
  4. データ基盤複数領域をつなぐデジタルプラットフォーム

人を運ぶ鉄道、商品を売る店、場所を貸す施設、宿泊を提供するホテルは、すでにそれぞれ収益を上げています。JR東日本は、これらに決済・金融やデータの活用を重ね、二軸経営としてつながりを強めようとしています。

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

JR東日本は、鉄道で人を運び、その人たちや地域の企業に商品・場所・サービスを提供する会社です。

2026年3月期も運輸は売上の約66%で最大です。非運輸3セグメントの売上は約1兆387億円あり、セグメント利益を単純合算すると2,264億円で運輸の1,944億円を上回ります。連結営業利益とは調整額により一致しません。

すでに大きい周辺事業を、駅・街・Suica・データでさらに結びつける。 不動産の開発・売却・運用やSuicaの拡張は、そのために会社が進める取り組みです。現在の収益規模と、これから実現をめざす連携を分けると、二軸経営の意味が見えてきます。

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使用した一次資料

JR東日本グループ経営ビジョン『勇翔2034』

東日本旅客鉄道株式会社

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事業紹介 — Suica・金融ビジネス

東日本旅客鉄道株式会社

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JR East Group Report 2025(統合報告書)

東日本旅客鉄道株式会社

使用ページ: p.12 / p.56

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資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(2026年4月30日)

東日本旅客鉄道株式会社 · 2026-04-30

使用ページ: p.6

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