株式会社INPEX · 2025年12月期

INPEXのLNG設備が向き合う、下がるガスの圧力。

INPEXは、石油・天然ガスを生産・販売する会社です。同社が操業を担う豪州のイクシスでは、2025年12月期(2025年1月1日〜12月31日)にプロジェクト全体で112カーゴのLNGを出荷しました。月ごとの出荷をたどると、設備を止めて整備する仕事と、地下のガスを長く取り出すための課題が見えてきます。

海上のガス処理設備、海底配管とガスを含む地層、陸上のLNG貯蔵設備と船をつないだイラスト

112カーゴの一年には、修繕と再起動がある

設備の先では、ガスを取り出す条件も変わる

地下のガスを、液化・出荷設備へつなぐ

イクシスでは、海上で生産する側が原料ガスを供給し、陸上で液化・出荷する側が買います。

上流側:海上で生産

海上の中央処理施設(CPF)

貯留層から海上の中央処理施設へガスを取り出す断面図海底下のガスを含む層から、海上の中央処理施設CPFへガスを送る。生産とともに貯留層の圧力は下がる。

ガスを含む貯留層生産とともに圧力が低下

原料ガス供給 → 購入

下流側:原料ガスを買い、加工・販売

ガス輸送パイプライン

パイプラインから陸上LNGプラント、貯蔵タンク、LNG船へ続く流れ原料ガスをパイプラインで陸上LNGプラントへ送り、液化したLNGを貯蔵して船へ積み出す。
液化貯蔵出荷
海上施設に追加するブースターコンプレッサーモジュールの模式図BCMは海上のCPFに接続する設備。貯留層そのものの圧力を高める設備としては描いていない。

開示時点の計画:

CPFで、より低い入口圧力に対応する

BCMの接続・試運転を、2026年9月から段階的に実施する予定。

試運転後の狙い:CPFの入口圧力を下げ、貯留層の圧力が低くてもガスを追加で回収する。

LNGに絞った模式図で、設備の位置・形状・数量は実施設計を表しません。BCMの接続・試運転の完了や効果の実現を示していません。

設備と事業体 p.17圧力とBCM p.38月7日時点の予定 p.30

長期操業を支える仕事

同じLNG設備を、変わる条件の中で使う

修繕、圧力への対応、将来の原料ガスでは、仕事の段階も時間軸も異なります。

イクシスの操業地下のガスから、液化・出荷まで
  1. 設備を整備する2025年の計画修繕と再起動
  2. 低い圧力に対応するBCMの接続・試運転を経て、入口圧力を下げる計画
  3. 次の原料を検討する周辺資源やBeetalooの供給候補を評価

載せた設備をつなぎ、運転条件を切り替える

同じ8月の資料は、2027年7月中旬から約1.5か月の計画停止も示しています。主な目的はLNG第1系列の検査です。BCMをつなぐ2026年の作業と、その先の設備検査。それぞれの目的に合わせて、操業の予定が組まれます。

陸上のプラントへ、将来どのガスを送るか

THE VIEW AFTER THE NUMBERS

数字をつなぐと、こう見えた

イクシスの2025年の112カーゴは、整備し、再び動かし、ガスを送り出した一年の出荷実績です。その操業を長く続けるには、生産とともに変わる貯留層の条件にも設備を合わせる必要があります。

BCMで入口圧力を下げること、接続・試運転のために作業期間を確保すること、将来の原料ガスを検討すること。それぞれ進んでいる段階が違います。2026年8月7日に示された9月以降の工事は、開示時点の計画として読む必要があります。

設備の手入れと、ガスを取り出す条件への対応を重ねて、操業をつなぐ。 出荷の数字から地下の圧力までたどると、INPEXが一つのLNGプロジェクトに対して担う、時間の長い仕事が見えてきます。

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投資判断や銘柄推奨を目的とした記事ではありません。企業が公開した一次資料を、会社の輪郭が見えてくる順番で読み直しています。

使用した一次資料

2025年12月期 決算説明資料(英語版)

株式会社INPEX · 2026-02-12

使用ページ: p.9 / p.35

原文を開く →

2025年12月期 決算補足資料(英語版)

株式会社INPEX · 2026-02-12

使用ページ: p.17

原文を開く →

FY2025 Results Q&A Summary(英語版、2026年3月3日)

株式会社INPEX · 2026-03-03

使用ページ: p.3

原文を開く →

2026年上期 決算説明資料(英語版、8月7日)

株式会社INPEX · 2026-08-07

使用ページ: p.10 / p.30

原文を開く →

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